2023/06/20 コラム

日産はいつまで「フェアレディZの受注停止」を続けるの? え、「NISMO」間もなく登場!? 生産が追いつかない決定的理由は「塗装」らしい

写真は北米仕様



■NISMO投入のウワサ…納期はどうなる

もちろん、この工程を加味して日産では生産台数を策定したのだろう。その台数を超える人気を博した、だから受注を停止した…簡単に言えば「読みが甘かった」ということだろう。

でも、「仕方がないよね」とすまされることだろうか? すでにメーカーも、長納期で顧客を待たせることに慣れてしまってはいないか。そもそも、もし塗装の問題があらかじめわかっていたとしたら、納期に影響が出ることは明らかなはずだ(だから生産台数を公表しなかったのか?と詮索したくなる)。

もちろん、工場設備への投資は莫大で、そうそう簡単にできるものではない。しかし、「総生産台数としてはそこまで多いクルマではないから、投資は控えたい…」という日産社内での論調があったとしたら? それはもちろんビジネスとしての判断であり、たしかにインテリジェント。

受注再開はまだ先か…と思いきや、飛び込んできたのが「NSIMO」版のフェアレディZ導入だ。「年末までには発表して受注するようです」とは件の関係者。まだ長納期を解消できていないのに…。「件の塗装問題が改善できる見込みがたったのかもしれません。標準車についても、納期も短縮できる目処が立たないと、さすがにNISMOモデルの受注はできないでしょう。お客さんを裏切ることになりかねませんから」。

ちなみ2023年1〜5月までの累計登録台数は435台。直近5月は67台だ。バックオーダーは5000台以上とも言われており、現状の日本向け生産のペースだと納車まで5年以上かかる場合も…。

「最後のZ」といわれ、往年のZを彷彿させるデザインにハイスペックなエンジンを積むとなったら、それは人気が出るのもわかるはず。「こんなに受注があるとは」では、あまりにも自分たちの歴史や、ファンのZに対する愛を理解していないのではと思わずにはいられないのだ。

もちろん、生産台数が少ない=希少価値が上がる=転売目的、それは人気とイコールか?という側面もあるとは思うが。

いずれにせよ、長納期改善に関する取り組みは、もう公表していいタイミングだと思う。もう、受注を停止して1年が経とうとしているのだから。

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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