FRPやCFRPを使った製品は、デザインから造形、型作り、量産まで一貫して自社で行うBLESS（ブレス）。制約の多い1ボックス車用パーツでその実力を見せた！
制約のなかでベストを尽くす ハイエースとキャラバンはナローと呼ばれる4ナンバーのロングボディ標準幅標準ルーフを筆頭に、さまざまなボディバリエーションを設定している。なかでも日本の道路環境に適したナローは商用からパーソナルユースまで幅広く利用されている。
4ナンバーの小型貨物車規格は全長4700mm以下という制約があり、これがエアロパーツの設定で高いハードルに。加えて、フルキャブオーバーはフロントまわりの余裕がほとんどなく、改良のたびに先進安全装備のセンサーカメラやソナーが追加される。これらを避けながら作る難しさは乗用車の比ではない。
制約だらけの4ナンバーの枠内で、存在感や個性を表現できるエアロ作りに挑んでいるのがブレス。その代表例が「ラージＴ」と呼ばれる押し出しの強い顔に改められたハイエースⅣ型以降用のクールフェイスハーフスポイラー。ノーマルバンパーの上にかぶせるタイプながら、バンパーを丸ごと交換したかに見える。
手軽なリップスポイラーから前述のハーフタイプまで幅広いラインアップのハイエースを筆頭に、タウンエース、NV200バネット、開発中の新型ハイゼット カーゴ用など、1ボックス車を得意とするブレス。その最新作が、ビッグマイナーチェンジでフロントフェイスを刷新した、新型キャラバン用のエアロだ。
エアロの開発も兼ねて社用車に導入したのが、キャラバンだけに設定されているスーパーロングボディの標準幅ハイルーフ。取りまわしのよさとスペース効率を両立できることから、福祉施設の送迎車やキャンピングカーのベース車に用いられる。
こちらはハイエースとは違いオースドックスなデザイン。その狙いはローダウンからノーマル車高、はやりの「アゲ系」まで幅広いカスタムに対応する汎用性。とはいえ、スポーティでスタイリッシュに映えるというブレスのブランドコンセプトをしっかり貫き、個性を表現している。
なかでも好評なのが、ルーフエンドを引き締めてスポーティに見せるナローハイルーフスポイラー。他社でラインアップしていないのも一因だが、たとえニッチなニーズでも「イケる」と踏んだらカタチにする着眼力と実行力で、こだわりの強い「箱車好き」のハートを捉えている。
HIACE ナローボディでワイド以上の存在感とオーラを放つ
●フロント、サイド、リヤのボトム部分をボリュームアップするブレスのエアロパーツ。ノーマルのデザインと調和した一体感が魅力
クールフェイスハーフスポイラー Ver.2価格：10万100円（未塗装）／13万3100円（塗装済み）
※2022年4月一部改良後の現行車は取り付け不可
●4ナンバー枠内に収めるために張り出しはノーマル比＋30mmまで。厳しい制約のなかでワイド感を強調。両側のダクトに丸形LEDを装着
ワイドオーバーフェンダー価格：5万9400円（未塗装）／8万6900円（塗装済み）
●4ナンバーの全幅に収まるように出幅を片側約9mmとし、タイヤハウスの隙間が目立たないように下に約20mm延ばし、ノーマル車高でもローダウン風に見える視覚的効果を狙った
サイドステップ Ver.2（ロング用）価格：5万3900円（未塗装）／7万9200円（塗装済み）
●ハーフスポイラーのスポーティな意匠を継承し、躍動感のあるサイドビューに
リアバンパースポイラー Ver.5価格：4万7300円（未塗装）／7万7000円（塗装済み）
●クールフェイスハーフスポイラーと同様、ノーマルバンパーにかぶせて装着。左右両出しマフラーに対応したスポーティなデザイン。バンパー中央のステップも隠れない
リアスポイラー Ver.2（カーボンコンビ）価格：6万3800円（未塗装）／8万4700円（塗装済み）
●リヤのガラスエリアとリアルカーボン部が一体に見えて、リヤビューをスタイリッシュに演出
CARAVAN ビッグマイナー後用のエアロが早くも登場
フロントハーフスポイラー価格：4万6200円（未塗装）／6万7100円（塗装済み）
●純正バンパーのボトムにかぶせて装着。ビッグマイナーの象徴であるインターロックグリルとのマッチングを考慮したデザイン
サイドステップ（スーパーロング用）価格：6万1600円（未塗装）／9万2400円（塗装済み）
●スーパーロングは前後輪の間が間延びして見えてしまう。ボトム部分をボリュームアップして前後スポイラーの橋渡しをする
リアアンダースポイラー価格：4万7850円（未塗装）／6万8750円（塗装済み）
●見た目だけなく機能にこだわるのがブレス流。マフラー出口を塞いで排気熱がこもらないように、切り欠き的な意匠を施した
ナローハイルーフスポイラー価格：5万1700円（未塗装）／7万2600円（塗装済み）
●標準幅スーパーロングハイルーフ専用リヤスポイラー。ガラスエリア上の空間が広いバックドアの程よいアクセントになる
●新たにカタログ設定された塗装色、ステルスグレーがエアロを引き立てる。撮影車はフロントがトーションバーの調整、リヤは「玄武」のブロックで2インチローダウン
ハイゼット カーゴ用のエアロパーツも開発中！ DNGAに基づく新型プラットフォームやFRの軽商用車初となるCVTの採用でパーソナルユーザーにも人気の軽1ボックス用エアロを鋭意開発中。アトレーにも適合させる。
〈文＝湯目由明 写真＝岡 拓〉
■問い合わせ先
ブレス クリエイション
TEL：042-730-3218
https://www.bless-pt.com 
