グッドイヤーのスポーツタイヤ、ウルトラハイパフォーマンスタイヤ（UHP）＝イーグルF1シリーズに、ウルトラUHPとしてよりハイパフォーマンスな性能を備えたイーグルF1スーパースポーツが登場した。
現在UHP市場は、欧州を中心によりハイパフォーマンスな性能を備えたウルトラUHPが一つのトレンドになっている。イーグルF1スーパースポーツもそんな流れに乗って開発されたタイヤだ。開発は欧州グッドイヤーが担当する。
モータースポーツ直系の新フラッグシップモデル グッドイヤーでは『モータースポーツ直系の高いドライグリップとダイレクトなハンドリングを備えたニューフラッグシップ』と言っており、一般道に軸足を置きながらもサーキット走行でも高いパフォーマンスを発揮する性能を特徴とする。
トレッドデザインは、太溝3本＋中太溝1本の縦溝基調のリブデザインで、アウト側に大型ブロック＋中太溝を配置して、コーナリング時の接地面積の拡大を狙っている。
また、コンパウンドは左右ショルダーブロックがドライ路面での剛性を発揮するコンパウンド、中央3本のリブ（ブロック列）がウエット路面での性能を重視したコンパウンドというダブルコンパウンドを採用。
構造面ではアラミド糸とナイロン糸を縒って作られたオーバーレイヤーによって、低速域でのしなやかさと超高速域での剛性を両立。
さらにカーカスはビード部での折り返しをトレッド面まで深くした構造を採用することで、乗り心地を損なわずに操縦性の向上が図られている。
高性能車で走りを存分に楽しめる操縦性と安定感 試乗車はスープラSZ-R。タイヤサイズは純正サイズの前255/40ZR18、後275/40R18だ。
超ハイパフォーマンスなタイヤなので、乗り味もスパルタンなのかと思いきや意外にマイルド。タイヤが転がりながら路面を踏む感触はソフトというほどではないが低〜中速域でも硬さによるショックはなく、むしろしなやかな印象が強い。
もともとイーグルF1アシンメトリックシリーズでもUHPをうたっているが、トレッド面の路面への当たりはマイルドさやしなやかさを持っている。これがスーパースポーツにも継承されていると言っていいだろう。
もっともコーナーではコンパウンドグリップの高さからくる安定感と、操舵に対する正確さを感じさせる高剛性な感触が前面に出てくる。平たく言ってしまえばドシっとしているのに、ステアリング操作に正確かつシャープに追従するのだ。
特にステアリングを切り始めたときのタイヤのねじり剛性が高い印象。手もとに伝わるトレッド面の感触は変形感が少なく、グリップを伴いながらタイヤがスッと向きを変えてくれる感じだ。
ハイグリップタイヤにありがちな操舵に対する重さ感は少なめで軽快な印象さえある。にもかかわらず、全体としてはタイヤがしっかりと路面を捉えており、安定感があるのだ。
サーキットではタイムを競うタイプのタイヤではないが、ハイパワー・高トルクをしっかりと受け止め、ハイパフォーマンスカーの走りを安心して楽しめるだけの操縦性とグリップ性能を備えているという印象だ。
ウエット性能も高く、省燃費性も考慮 しかも、これだけのドライ性能を備えているのにJATMAのタイヤグレーディングでは全サイズがウエットグリップ「a」を獲得。ハイグリップ志向のタイヤは一般的には温度依存性が高く、ウエットグリップは「b」であることが少なくない。ウエットでの試乗はできていないが、ウエット路面でのグリップの高さも期待していい。さらに、転がり抵抗も2サイズが省燃費タイヤ要件を満たす「A」、他のサイズも「B」に収まっている。
ウルトラUHPを標榜しドライグリップの高さをうたうイールグF1スーパースポーツだが、ストリートでの性能の高さにも大いに魅力がある。
〈文＝斎藤 聡 写真＝岡 拓〉
［イーグルF1スーパースポーツ サイズラインアップ］＊いずれも価格はオープン
■21インチ285/30ZR21 100Y XL
■20インチ305/30ZR20 103Y XL
295/30ZR20 101Y XL
265/35ZR20 99Y XL
255/35ZR20 97Y XL
■19インチ285/30ZR19 98Y XL
275/35ZR19 100Y XL
265/35ZR19 98Y XL
245/35ZR19 93Y XL
235/35ZR19 91Y XL
225/35ZR19 88Y XL
255/40ZR19 100Y XL
245/40ZR19 98Y XL
■18インチ245/35ZR18 92Y XL
275/40ZR18 103Y XL
255/40ZR18 99Y XL
235/40ZR18 95Y XL
225/40ZR18 92Y XL
245/45ZR18 100Y XL
225/45ZR18 95Y XL
