2021/12/06 コラム

オービスに捕まり、赤切符で罰金10万円…でも払えない。どうなる?

●分割で払う…なんて手もあるのか?


1、不起訴か公判請求か



略式の裁判手続きは、違反者の同意を必要とする。「略式でいいね」「はい」だけじゃダメ。「正式な手続きがあることもわかりましたが略式でけっこうです」という書面に違反者が署名・押印する必要がある。署名・押印しなければ、検察官は略式の起訴ができない。検察官は、不起訴とするか、公判請求(正式な裁判への起訴)をするか、どっちかを選ぶ。

違反は事実でも、検察官は不起訴とすることがある。それを「起訴猶予」という。違反が軽いほど不起訴になりやすい。というか、統計を調べると、軽い違反はほぼ100%不起訴だ。逆に、違反が重いほど不起訴は難しい。超過70キロ台で不起訴は、まぁ無理でしょ。

検察官が公判請求をすると、しかるべき手続きを経て後日、違反者は「被告人」として正式な裁判の法廷に立たされることになる。違反事実は認めたうえで「警察で罰金10万円と聞きました。生活はこれこれで、とても払えません。どうか減額を」と主張することになるかな。

私は、交通違反以外も含めて9400事件ほどの裁判を傍聴してきた。主張が認められて1万円でも減額されることは、きわめてまれだ。「ネットで変なものを読みかじった、不起訴狙いの不届き者」とか見なされると、減額なしのうえに、国選弁護人の費用(たぶん10万円弱)を負担させられるかもしれない。ご注意を。

ドライバーWeb編集部

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