2024/04/12 コラム

2023年の交通違反別取り締まり件数が公表された。減った違反、増えた違反は?

ここ10年で交通取り締まりの件数は半減している

違反別の交通取り締まり件数の、2023年分が公表された。警察庁のWebサイトのちょっと深いところにその一覧表がある。2022年分も載っている、2023年と2022年の、交通取り締まりの総数はこうだ。

2023年  547万6654件
2022年  614万1535件

2013年には1047万4402件もあったのに、近年は減少し続け、とうとう半分ほどになってしまった。原因は何か。やっぱり、交通事故死者数の減少により、取り締まりのモチベーションが薄れた=現場警察官に対する取り締まりのノルマ(努力目標)が軽くなった、そこがひとつ大きいのだろうと私は見る。

事故死者数のピークは1970年、事故発生後24時間以内だけで1万6765人もの方が亡くなった。2度目のピークは1992年で1万1453人。その後ぐんぐん減り、2023年は2678人だ。ただし、じつは2023年は前年より少し増えている。今後が心配だ。

【参考記事】交通死亡事故者がついに増加に転じた…2024年は「あの取り締まり」激増が予想される 

次に、違反別の取り締まり件数を見てみよう。

■速度違反は右肩下がり

速度違反の取り締まりは、かつては200数十万件と“王者”だった。だが、2014年に200万件を割って183万5930件となり、2022年には100万件を割った。

2023年  88万8500件
2022年  93万2260件

クルマ社会も高齢化し、女性運転者の割合が半分に近づいた。セダンよりミニバン、軽自動車が売れる。時代なんですかねえ。

一覧表には超過速度別の取り締まり件数が載っている。2023年分はこうだ。

超過50以上     1万2508件
超過30以上50未満 12万2218件
超過25以上30未満 18万3204件
超過20以上25未満 29万2723件
超過15以上20未満 27万7769件
超過15未満        78件

超過15キロ以上25キロ未満、つまり超過20キロ前後が約64%を占める。「20キロオーバーぐらいが普通の流れでしょ」と思ってるあなた、やばいですぞ。

超過15キロ未満は、昔はもっと少なかった。2013年なんか、たった15件だった。ところが2019年、突然340件に爆増した。「通学路、生活道路の速度抑止」を目玉に導入された可搬式オービス(※)が、制限30キロ程度の道路で取り締まったことが考えられる。しかしその後どんどん減り、2023年は78件に。じつに興味深い。 ※ネットでは「移動式オービス」とよく呼び変えられる。

さて、そんな中で、じつは取り締まりが増えた違反がある。いったい何の違反か、一覧表の現物を見ながら、少しチェックしてみよう。


ドライバーWeb編集部

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