2023/11/05 ニュース

スズキのモクバ? 木馬? 開発者が語ったパーソナルモビリティの可能性【ジャパンモビリティショー2023】

四輪、ではなく4つ脚の次世代モビリティ「モクバ」

記念すべき第1回のジャパンモビリティショー2023で、四輪二輪合わせて13台ものワールドプレミアをズラリと並べたスズキ。そのなかで特に注目のモデルにスポットを当てて、開発現場のリアルな声を聞いてみた。

スズキブースのステージ上での主役は、BEV(電気自動車)の2台。ホワイト&シルバーのボディに蛍光イエローのアクセントが映える、ちょっとチョップドルーフ風の小型なコンセプトカーはワールドプレミアの「eWX」だ。察しのつく通り、軽自動車規格のBEVである。

■eWXのデザインモチーフは+とー

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2030年までにBEVのラインアップ化を進めると公言しているスズキだが、そのなかには当然軽自動車も含まれている。「今回eWXには、軽自動車規格のBEVプラットフォームを製作していると知ってもらうための意味も込めています。2030年までには販売するとアナウンスしていますので、そこに向けて開発は進んでいます」。と、eWX開発担当の箕輪多香子氏は話してくれた。

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しかし、その一方でシャシーのスペック系は一切公開されていない。「モーター搭載位置や駆動方式などは、まだお話できないんです。できることは230kmほどの航続距離を確保しているバッテリーが、床下に搭載していることくらいです」。まだまだ公表できる情報は少ないようだ。

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しかし、次期型のラパンともハスラーともとれるようなデザインだが、eWXのデザインを担当した竹口久志呂氏は、特に何かの後継とは考えていない模様。「スズキらしい親しみやすさを、できる限りシンプルに表現しました。例えるなら、子供が描きやすいようなシンプルさです。今のところ市販前提ではなく、あくまでコンセプトですね」。

ちなみにチョップドルーフ風のデザインに関しては「床下バッテリーでどうしても高く見えてしまう背の高さを、低く見せるためです」と解説してくれた。

シンプルさのなかにBEVらしさを表現するため、バッテリーの+とーをモチーフにした形をアクセントにしている。よく見れば、クルマの外も中も+とーだらけだ。

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「ホイールや外装のアクセントにも取り入れていますが、内装にはもっと多く見つかると思いますよ」。確かにセンターコンソールのスイッチ溝や、一枚パネルのメーターだけでなく、あらゆるところに+とーがある。全体的にシンプルに仕上がっていることもあり、ほどよいアクセントになっている。

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「内装には、デジタルとアナログの融合というテーマも設けています。例えば、大型のダイヤル式シフトスイッチや、センタークラスターの丸いボタンなど物理スイッチを多くしていますが、アナログの使いやすさを感じてもらうためです。タッチパネル式にはないスイッチ感を大事にしました」。細部までこだわりが感じられるデザインといえるだろう。このままコンセプトモデルだけにしてしまうのは、もったいないと思えるくらい完成されたデザインと感じた。

ドライバーWeb編集部

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