2023/09/20 新車

新型レクサスGX初試乗…石の上でも確かにLEXUSだった

オフロード性能はレクサスLX以上か!?

汚れているほうがサマになる

そして、今回オフロードでチョイ乗りした“オーバートレイル”仕様だ。こちらはランクル300のGRスポーツと同様に、悪路走破性をいっそう高めたモデルである。ベース車は3.5Lターボ搭載のGX550。低回転から6Lガソリン並みの巨大トルクを過給ラグなしに発揮する実力は、LXや300系で実証済み。


●オフロード走行時に障害物とヒットすることを考慮し、オーバートレイル仕様のフロア下には別体のプロテクションが備わる

オーバートレイルの特徴は、これもレクサス初のE-KDSS(Electronic-Kinetic Dynamic Suspension System)。前後スタビライザーの効力を路面状態に応じて最適に電子制御する。スタビライザーがフリーになると、サスストロークがさらに伸びてタイヤが路面から浮きにくくなる。ボディの揺れの少なさも長所で、極悪路を走っているとは思えないほど乗り心地がいい。

フル電動のパワーステアリングはLX譲り(ランクル300は電動式の操舵アクチュエーターを加えた油圧式パワステ)。スッキリ軽い操舵力でキックバックが気にならず、操縦性はじつに上質で快適だ。

トランスファーをローレンジにし、マルチテレインセレクトでオートモードを選べば、あとはアクセルを踏み込むだけ。起伏の大きなモーグル路も岩石路も、4輪の理想的な駆動力制御でウソのように走破してしまう。頻繁に制御が入っているに違いない4輪独立ブレーキの作動音や振動がまるで気にならない点は、300系で体験したのと同じだ。いわば「オフロード用微速クルーズコントロール」のクロールコントロールを使えば、ドライバーはアクセル操作からも解放されステアリング操作に集中できる。

さらに、新型GXはレクサスらしさを存分に堪能できるオンロードの走りも両立しているという。鍛え上げた舞台は、「日本のニュルブルクリンク」とも言われるトヨタの下山テストコース。オンもオフもその実力を存分に確かめるのは、1年後のお楽しみだ。


●オーバートレイル仕様は2列目ベンチシートの5人乗りのみ。標準仕様は2列目キャプテンシートの6人乗りも選択可能。テールゲートにはガラスハッチが備わる

〈文=戸田治宏 写真=山内潤也〉

ドライバーWeb編集部

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