2023/09/19 イベント

ミリタリーな三菱車からデリカミニまで!「スターキャンプ」の魅力とは

元自衛隊の小型トラックまで参加。自衛隊をお役御免になった後はスクラップとして民間に払い下げられ、シャシーフレームが切断されているために、ボディは73式小型トラックだが下まわりとエンジンはV26のものを流用している。



気になるスタキャン参加者の愛車を紹介

のぶわたOUTDOORさん
アウトランダーPHEV×キャンピングトレーラー



日本に数台しかない希少なドイツ製キャンピングトレーラー「ヴァインスベルク」を、ジェームスバロウドのルーフトップテントを載せたアウトランダーPHEVでけん引してきたのぶわたOUTDOORさん。

アウトランダーPHEVの利点は駆動用バッテリーに蓄えた電力を、AC100V・1500Wの最大出力で取り出せること。のぶわたさんはAC出力コネクターを車外に新設し、ここからトレーラー側に給電することでトレーラーで使う家電製品(ルームエアコンや冷蔵庫)を使えるようにした。のぶわたさんによると、駆動用バッテリーの残量が7割あればひと晩エアコンを動かせるので、猛暑でも快適に過ごせたそうだ。



スタキャンではSNSでつながっているアウトランダーPHEVのオーナーと合流。大人数なのでトレーラー、ルーフトップテント、テントの3か所に分かれて就寝する。ちなみに、トレーラーの車重は750㎏を超えるのでけん引免許が必要。のぶわたさんは教習所に通ってけん引免許を取得した。

蟹澤力矢さん
73式小型トラック(レプリカ)



乗用SUVとは明らかに一線を画すミリタリーなオーラを放ちまくる濃緑のボディカラーと、装飾をいっさい排した質実剛健な外装。蟹澤さんの愛車は元自衛隊の小型トラックで、2代目パジェロのショート(V26)がベースになっている。

自衛隊をお役御免になった後はスクラップとして民間に払い下げられ、シャシーフレームが切断されているために、ボディは73式小型トラックだが下まわりとエンジンはV26のものを流用している。リヤサスは「本物」が板ばねなのに対し、このクルマはV26の足まわりを使っているためにコイルばねになる。ちなみにトレーラーはベトナム戦争時代に米軍が使っていたもので、テントも米軍の放出品。蟹澤さんはこのほかにもう1台、三菱ジープ(J59)も所有する、筋金入りのミリタリーファンだ。

pukuさん
デリカミニ Tプレミアム



東京オートサロン2023に出展していたデリカミニを見てひと目惚れ。「ライトとグリルが醸し出す表情がとても可愛くて、オートサロンに行った翌日にディーラーで契約しました」。ボディ色はイメージカラーのアッシュグリーンメタリック×ブラックマイカをチョイス。月イチでキャンプするpukuさんにとって、両側スライドドアで荷室がフラットになるのも購入の決め手になった。「大きなキャンプギアも楽に積み込めます。ターボなので登り坂もストレスなく加速してくれるのがいいですね」。このほかにもう1台、NDロードスターを所有するクルマ好きのpukuさんらしい感想だ。

AZさん
デリカミニ Tプレミアム4WD



オートサロンで実車を見て「なかなか面白そう」と思って購入を決めたAZさん。カスタムのお手本はオートサロンに出展していたスノーサバイバーで、ボディカラーはホワイトパールを選択。オートフラッグスのDANSYAQフロントバンパーガード、ホイールは15インチのデイトナM9、純正オプションのマッドフラップでSUVテイストを演出。スタキャンの会場は降り続く雨で一部の路面や芝生サイトがぬかるんでいたが、グリップコントロールと4WD専用の大径タイヤ、専用ダンパーが本領を発揮し、スタックの不安は皆無。こうした頼もしさもAZさんがデリカミニを選んだ理由だ。



目まぐるしく変わる天候に翻弄されたけど

スタキャンの前日に台風13号が東海、関東に接近・上陸し、熱帯低気圧になった後も台風一過とはいかず、ふもとっぱら周辺は鉛色の雲に包まれた。時折雨脚が激しくなることもあったが、夜半には星空が拝めるようになり、翌朝は参加者の労をねぎらうかのように朝日に照らされた富嶽が現れた。これこそアウトドアの醍醐味。気まぐれな天候に翻弄されながらドラマティックな光景に心揺さぶられるのは、現地に足を運んだ人だけが味わえるご褒美だ。自然が織り成す感動の一瞬に出会える最高の舞台をスターキャンプが演出してくれた。

<文=湯目由明 写真=岡拓>

ドライバーWeb編集部

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