2023/04/18 新車

まるで小さなアウトバック!? スバル クロストレック公道試乗…ブレーキフィールは要改善

●先代(XV)よりクラッディング部分を拡大。引き締まった立体感の表現に寄与するドア下部のアクセントラインは、思いのほか抑揚がある

スバルは現行型レヴォーグ(2020年10月発表)あたりから新型車の発売日をアナウンスしなくなった。

XV改めクロストレックでは受注についての案内もなくモヤモヤしたが(要は販売店に聞けということか)、今回スバル広報部が明らかにしたところでは、すでに5カ月で約1万2000台を受注。直近の1カ月もさらに約3000台の注文があったという。月販計画は2600台だから(これは価格発表で公表)、出足はまずまずといったところか。

■クロストレック バリエーション&価格(FF/AWD)
●リミテッド:306万9000円/328万9000円
●ツーリング:266万2000円/288万2000円


●写真はツーリング。ボディカラーは「広がる波間」のような静かな力強さをイメージしたオフショアブルー・メタリック

■これが売れなきゃいろいろ困る

クロストレックは、まもなく登場する6代目インプレッサとボディやメカニズムを共用する、ハッチバックベースのクロスオーバーSUV。競争が熾烈なコンパクトSUVのなかでも、依然オンリーワンの存在である。商品コンセプトは明快な継承路線。先代のボディサイズをきっちり守りながら、「ラギッドかつスポーティなデザイン」をモノにしたパッケージとスタイリングは、非常に好感が持てる。

インテリアも全体的にはスバルらしく手堅い印象だ。目を引くのはアウトバックやレヴォーグと同じ縦型センターディスプレイで、11.6インチの大画面。2022年の世界初公開に合わせて取材したプロトタイプは樹脂パーツの見栄えがいまひとつだったが、量産型では質感もしっかり仕上がっている印象だ。


●インパネの基本意匠はレヴォーグとほぼ共通。センターコンソールの位置(シフトノブ周辺)を高くすることで包まれ感の表現と機能性の向上を図った。11.6インチセンターインフォメーションディスプレイはリミテッドに標準装備

商品性で先代と変わったところがあるとすれば、ラインアップだろう。エンジンは中途半端だった1.6Lを廃止し、2L ハイブリッド(HV)の「eボクサー」に一本化。一方、フルタイム4WDの「アクティブトルクスプリットAWD」のみだった駆動方式には、新たにFFが加わっている。

前述した受注の販売比率は、4WDが72%、FFは28%。グレード別ではリミテッド75%、ツーリング25%で上級が7割以上を占める。いずれもスバルの見込みどおりのようだ。全9種のボディカラーは訴求色でもある新色のオフショアブルー・メタリックが36.9%で一番人気。そのあと先代にも設定のクリスタルホワイト・パール(22.5%)、同じくマグネタイトグレー・メタリック(11.3%)が続く。もう1つの新色、オアシスブルーは鮮やかでこれも魅力的だが、なぜか3.8%でブービー。


●ボディカラーはオアシスブルー。こちらのイメージは清涼感のある「砂漠の泉(オアシス)」。ルーフパネルとブレースの間に高減衰マスチック(弾性接着剤)を採用することでルーフの振動による騒音(音圧)の低減と車内音の収束性を高めた

ドライバーWeb編集部

RELATED

RANKING