2022/01/31 モータースポーツ

GRヤリス ラリー1に、F1みたいなハイレーキコンセプト? 異常なまでに持ち上がったリヤフロアの理由とは?【WRC 2022】

©︎TGR ●GRヤリス ラリー1。リヤから見るとフロアが持ち上がっていることがよくわかる




■リヤフロアを上げるとどうなる?


例年通り2022年シーズンもラリー・モンテカルロで開幕した、WRC(世界ラリー選手権)。セバスチャン・ローブ選手の通算80勝も大きなニュースとなったが、一番の話題はレギュレーションが大きく変わったトップカテゴリーマシン「ラリー1」のデビューだった。

GRヤリスRally1
●2022年シーズンを戦う、TGRのGRヤリス ラリー1

1997年に始まり、2021年まで24年間続いたWRカーに代わって、今季から始まったハイブリッドカーによる新規定。よりワイド&ロー化が進んだボディや、左右サイドの大きなエアインテークなど、ラリー1ならではの外観の特徴は随所に見られたが、私が気になった点はレーキ角だ。

レーキ角とはフロアの角度のこと。フロントを低く、リヤを高くすることによって、フロア下の空気をより多く速く抜けるようにし、ダウンフォースを稼ぐ考え方だ。

F1ではよく使われる用語で、最近ではレッドブルのマシンなどがレーキ角度を大きくとっている。レッドブルのような特にリヤが高く持ち上がったフロアは「ハイレーキコンセプト」とも呼ばれている。

ラリー1に話を戻そう。今季デビューしたマシンは、トヨタGAZOOレーシング(TGR)のGRヤリス、ヒョンデのi20 N、Mスポーツフォードのピューマの3種類。モンテカルロを走ったこの3台をレーキ角順に並べると、ピューマ < i20 N < GRヤリスとなる。ピューマはあまりレーキ角が付いていないように見え、GRヤリスは見るからにハイレーキだった。

GRヤリスRally1
●ラリー・モンテカルロでのMスポーツフォード ピューマ ラリー1

GRヤリスRally1
●同じラリー、同じ場所で撮影された、GRヤリス ラリー1。ピューマと比べるとフロアの角度だけでなく、リヤエンドの高さも違う


ドライバーWeb編集部・青山

RELATED

RANKING