2021/10/02 ニュース

「ドライビングとはなんだ」な、STIギャラリー三鷹の新企画展示をさっそくリアル体験



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STIの思想「運転がうまくなる」を凝縮したワンオフのボール落としゲーム

STIに欠かせないモータースポーツとの関わりを体験するシミュレーターとは対照的なのが、「ハンドリングマシン tS」だ。円筒形からステアリングホイールとペダルが飛び出した筐体の実体は、ボール落としゲーム。ステアリング(左右)とペダル(前後)で傾きを調整しながら黒く引かれた線(0.1mmの溝状)をトレースしてゴールまでボールを転がすだけなのだが、これがまた難しい。

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しかもステアリングの操作に関しては、剛性の可変機構があり、初期操舵応答性の変化を体験できるようになっている。

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その目的は、ふだんのドライビングでどれだけていねいに運転できるかということ。ていねいな操作でスムーズにボールを転がせれば、実際の運転で同乗者が酔わなくなったり、クルマがどのような挙動をしているのかがわかるようになる、ということらしい。

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剛性の可変機構はいわゆる車体の遊びや緩さのあるノーマル状態と、STIが開発したパフォーマンスパーツ「フレキシブルドロースティフナー」を装着して引き締めた車両をそれぞれ再現するもの。

前出の篠田さんは「スポーツシューズの紐を緩めて運動するのと、キュッと締めて運動するのとではどっちがやりやすいか? というのと同じようなものです」という。ボディの剛性を引っ張ってキュッと固めることで運動性能ってよくなるという、STIのクルマづくりアプローチを知れるものだ。

ダルなステアリング操作が締め上げられる(剛性が上がる)と、操作に対してリニアリティが増してより“意のまま感“が感じられるようになる。ていねいな運転をするためにふだんからセンサーを働かせるきっかけが楽しく学べる。しくみも操作も単純だから子供でも遊べる。そしてこの体験が未来のクルマ好きになったり、クルマとの関わり方に好ましい影響につながったりするかもしれない。シンプルだが奥が深い。

「ハンドリングマシン tS」はSTIの完全オリジナルでワンオフもので、操作性などにも徹底的にこだわったという。奥深さとしてはシミュレーターよりも上かもしれない。

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