2020/10/12 コラム

トラックドライバーは走行ルートをどうやって決めている? 勘?経験? じつはトラック専用カーナビ頼み!その理由とは

現代のトラックドライバーは専用ナビアプリに頼る



各所での荷積み、荷卸しを繰り返していて、ふと思うことがある。「1990年代以前のトラックドライバーは、どうやって走行ルートを決めていたのだろう?」と。定期便ルートなら、何度か行くうちに覚えられるだろう。だが、初めて行く場所の場合、やっぱり地図を見ながら決めてたんだろうなぁ。「軟弱なことを言ってるぜ」と思われるかもしれないが、現在日々の仕事でルートを決めるのは、カーナビ任せとなっている。今回はそんなトラックドライバーの命綱、トラック専用カーナビのお話である。

カーナビ任せなのには少し事情があって、特にチャーター便と呼ばれる1回きりの輸送業務を担う場合、初めて行く場所は多々あり、また急ぎの輸送依頼だからなのか、積み地に行ってから初めて行き先(卸し先)がわかる場合が案外多い。こういう輸送業務の依頼は、そもそも問題ではないかと思うものの、現場ではそんなこと言ってられない。でも実際、地図を開いて行くルートを検討している余裕はほぼない。卸し時間の指定や、複数件数(10数件という配送もある)の卸し場所の指定があったりするからだ。そんな理由もあり、完全にカーナビ頼みだ、しかもトラック専用のトラックカーナビである。


●ナビタイムのトラックカーナビ。個人の月額使用料は700〜800円程度。本来は数百円だって個人負担をしたくないものだが、会社ごとでの利用契約もできるらしいから、ぜひ会社ぐるみで導入してほしいものだ

筆者はナビタイムのトラックカーナビという有料アプリ(月額700〜800円)を、スマホに入れて使っているが、同アプリの主な特徴は以下のとおりだ。

【長所と特徴】



①車両サイズ(全長、全幅、全高)を事前に登録できる

同アプリでとても重宝する機能だ。例えば10トン、4トン、2トン車ではそれぞれ大きさが違い、交通法規上で通行禁止の道もあるし、また特に規制がなくても、道幅が狭かったり、高架橋が低くてくぐれないなんて場所は多々ある。そういう場所を回避して道案内してくれるのは大変ありがたく、重要な機能だ。例えば、一般ユーザーに普及度の高いグーグルマップのナビなどでトラックを運行しようものなら、必ずや通行不能な道にぶち当たる。


●画面上段が入力した目的地。中段が本文でも触れた車両設定とサイズの入力。大型10トン専門という方は関係ないだろうが、10トンから2トンクラスまでサイズを事前入力しておけば、その都度変更してルート設定できるのが便利だ

②複数の目的地がある場合の、最適順への並び替え

複数件数の配送場所がある場合、どのように回ったら効率がいいかを選択してくれる機能で、一般道路利用、高速道路利用、それぞれの場合の最適順を選定できる。


●画面上段が入力した目的地。中段が本文でも触れた車両設定とサイズの入力。大型10トン専門という方は関係ないだろうが、10トンから2トンクラスまでサイズを事前入力しておけば、その都度変更してルート設定できるのが便利だ

③複数以上のルート選択肢の提示

例えば、ある出発地から目的地までを入力すると、高速道路優先で2ルート(それぞれ通行料金、所要時間、距離が異なる)、推奨ルート1つ(高速道路も使うが、極力料金の安くて所要時間の短いルート)、一般道優先1ルート(無料の一般道ルート)、道幅優先1ルート(無料の一般道ルートのなかでも、道幅の広めのルートを選択)、合計5つものルートを提案してくれる(選べるのはいいことだが、個人的にはもっと候補を絞ってほしい)。


●目的地、車両サイズを入力してルート検索すると、本文でも触れたように、複数のルートが提案される。上から推奨ルート(高速も使用)、高速優先ルート、一般優先、道幅優先。時により、一般優先より道幅優先を選んだ方が所要時間が短い場合もある

④横付け設定ほか諸々の機能

「横付け」とは、目的地が左側にあるように到着する機能。大通りなどを横切っての危険な右折入場を避けるためのもので、これもなかなか重宝する。ほかにも、交通事故多発地点の音声警告、トラックが駐車(休憩)できるトラックスポット、ガソリンスタンドの紹介など、諸々の機能がある。


●ルート案内中の画面、当然ながら、スマホの縦置きでも横置きでも画面が反転して表示可能。年齢構成的に老眼比率の高いトラックドライバーの中では、このアプリをスマホより画面の大きいタブレットで使っている場合も多い

ざっとトラックカーナビ(ナビタイム)の長所を紹介したが、これは同アプリの運営会社が提案する便利機能には則していないかもしれない。あくまで、個人的に感じた便利な機能の紹介である。

では一方で、このアプリの不便な点はというと・・・

ドライバーWeb編集部

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