2024/06/24 カー用品 PR

【BBS FORTEGA】新素材「FORTEGA」で、 BBSホイールがさらなる高みへ

ホイールのカラーは「セレナイトブラウン」。光の当たり方で表情を変える美しさにも注目

クルマ好きなら誰もがあこがれるBBSの鍛造アルミホイール。軽くて、強くて、美しいという特徴をさらに進化させるため、長年研究してきた新素材が話題だ。その「FORTEGA」は、イタリア語で「強い」を意味する「forte」と「合金」の意「lega」からの造語。まさに高い剛性を特性とし、高重量化するBEVにも対応する新素材だ。

キーマンたちに 話を聞いた!



●新素材フォルテガを使った新しいホイールについて、BBSジャパンの開発本部・村上貴志さん(写真上)、設計部・横川貴行さん(写真下)のほか、デザイン部の上田絵璃奈さんにインタビュー。現在、市販化に向けて最終段階にあるという。期待したい!



「軽く、強く、美しく」

世界に先駆けてアルミ鍛造ホイールの量産化を実現したBBSは、さらなる理想を追い求め新しい素材にも挑戦を続けてきた。2011年には超々ジュラルミン鍛造ホイールを世界で初めて開発。15年にはマグネシウム鍛造ホイールの量産化に成功している。

そして今、熱い注目を集めるのが「フォルテガ」だ。従来からあったアルミ合金をベースに、BBSが協力会社と共同開発。ホイール用の材料として目処(めど)が立つまで足かけ10年という渾身(こんしん)の新素材である。

「アルミニウムに加えるシリコンの配合を増やし、強度・剛性面を高めるアプローチをしています。アルミはアルミなのですが、ウチが特徴とする三拍子のうち、強さと軽さについて材料面でどう手を入れられるかというところに着目しました」(開発本部・村上貴志さん)

プロトタイプは21インチ。重量は1本わずか約11kgと非常に軽量だ。メインターゲットの想定はバッテリー電気自動車(BEV)や、大型SUVといった高重量車。BBSが東京オートサロン2024に出展した装着車、BMW iX3を例にあげると、純正の20インチホイールに対してタイヤ込みで1本当たり約7kgもの軽量化を実現している。

特にBEVは大容量バッテリー搭載のためかなりの重量級で、欧州SUV勢は2トン超が当たり前。ホイールもその重さに見合う強度や剛性が求められ、必然的に重くなる傾向にある。バネ下重量の増加がハンドリングや乗り心地、電(燃)費に多かれ少なかれ悪影響を及ぼすことは言うまでもない。

フォルテガは一般的なアルミ合金より強度がかなり高い分、成形や切削といった加工が難しい。そこはBBSがこれまでさまざまな素材で培った経験や技術が生きたという。

デザインも進化させる新素材

フォルテガの特徴はデザインにも生きている。正面は、驚くほど細い“Y字”スポークのBBSらしい佇まい。しかし、斜めにするとスポークの高さを変えた立体的配置が、従来のBBSとは違った表情を見せる。

「立体感・繊細さ・伸びやかさをキーワードにデザインしました。BEV向けのホイールを普通のアルミ素材で造るとスポークをゴツくしないといけません。フォルテガは剛性が高くBBSの繊細さを表現できるので、それを全面に出しています。

また、新素材ということでデザインも立体感のある新しい造形に挑戦しました。剛性を出すにはスポークの高さをそろえるのが今までのやり方ですが、素材が強いのであえて変えることで立体感を出しています」(デザイナーの上田絵璃奈さん)。

このデザインが実現した陰には、設計サイドとの妥協のないせめぎ合いがあった。スポークの細さや高さの違いなど造形のすべてには、BBSの性能・品質を満足させながらフォルテガの特徴を最大限に引き出す設計の裏付けがもちろんあるのだ。

ホイールは単に剛性が高くて軽ければいいというものではない。

「剛性は全体のバランスが重要です。例えばアウター側のディスク面はしっかりさせながら、リムのインナー側は剛性を調整してしなりを持たせる。昨年の秋に剛性バランスの違う数パターンの試作品をテストコースで試して、詳細なデータを取ることができました。今後の量産化に生かしたいと思っています」(設計部・横川貴行さん)

開発は現在、その量産化に向けて最終段階を迎えている。

「われわれもハンドルを握りましたが、とにかく“楽しい”。大げさに言えば、重たいSUVがライトウエイトスポーツに変わる。ホイールひとつでこれほど変わるのかと、あらためて驚きと発見がありました」(村上さん)

発売は来年の東京オートサロン2025をにらんだタイミングか!? フォルテガがBBS、そしてホイールの歴史に新たな名を刻む日が今から楽しみだ。


「FORTEGA」で 細く美しい スポークを実現




スポークを細くすれば足が長く見える。そのうえで、SUVとのマッチングを考慮して力強さも演出しているのがプロトタイプの見どころ。「FORTEGA」の刻印も誇らしげだ。

BBSらしからぬ? 立体感が新しい


ホイールを正面から見ればまさにBBSらしいデザインだが、斜めから見ると表情を変える。スポークが折り重なったような立体感が美しい。この、スポークの高さが異なる意匠はOEM用以外のBBSホイールとしては初の試みとなる。



●フォルテガは従来のアルミ合金に対し、同等の剛性を確保しながら約10%の軽量化を実現。ただ、硬い素材なのでスポークのえぐりなどを含めて加工にはBBSならではのノウハウが生きている。東京オートサロン2024では、BEVのSUV、BMW iX3 Mスポーツに装着して出展。ホイールサイズは純正が20インチだが、新素材フォルテガによるプロトタイプは21インチ。純正比で1本当たり約7kgも軽量なのだ

〈文=戸田治宏 写真=山内潤也〉

■問い合わせ先
BBSジャパン 
TEL:03-6402-4090
https://bbs-japan.co.jp/

ドライバーWeb編集部

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