2023/10/03 ニュース

階段も移動できる! スズキの次世代四脚モビリティ「MOQBA(モクバ)」【ジャパンモビリティショー2023】

人を乗せて四脚歩行で階段を上ることができる

2023年10月3日、スズキは2023年10月26日から11月5日まで東京ビッグサイトで開催されるジャパンモビリティショー2023の出展内容を発表した。

【画像】次世代四脚モビリティが階段を上る姿

参考出品車の「MOQBA(モクバ)」は、「モジュラー・クワッド・ベイスド・アーキテクチャー=四脚をベースとしたモジュラー構造」という意味の英語の頭文字が由来。今までにないスタイリングと構造を持った次世代四脚モビリティである。



スズキには横浜に先行技術研究所である横浜研究所があり、新しい技術で地域の隅々まであらゆる人々の生活を支えるというミッションがある。そのミッションの具現化のために、移動に関する障壁や問題点を探っていくなかで、このような四本脚を持つモビリティを作りたいというアイデアが出てきたという。

公共交通機関が発達した都市部においても、移動の際には段差があり、クルマがあれば移動の課題が解決するわけではないということに開発陣は着目。その移動の障壁を解決すべく、階段も段差もシームレスに移動できるモビリティを作りたいという思いで開発。四本脚を持たせることで、階段を昇降できるようにして、なおかつ平地では足先の車輪を使うことでスムーズに高速の移動ができるという新しい乗り物である。



サイドから見ると特徴的な「への字」のフレームがあり、このメインフレームと真ん中に人が乗る乗車部の2つに分かれており、急斜面でも乗員を水平維持できるような構造になっている。「への字」の構造としたのは、乗員と階段のクリアランスをしっかりとるために、乗員はなるべく上に上げたい。一方でなるべく脚は短くしながら、重心を下げたいということでこのような形状にしたという。



スペックは全長1315mm×全幅915mm×全高1545mm。各関節にはアクチュエーターが入っており、コントロールすることで姿勢制御と走行を行うことができる。関節部にはコーションカラーとしてイエローをアクセントとして使っている。二輪と四輪を手がけるスズキならではのユニークな車体になったのではないかと自負しているとのことである。

運転ポジションはシートが1000mmとやや高い位置にあり、見晴らしがいいポジションになっている。このままでは乗り降りがしづらいため、本体がしゃがんだ姿勢となり、かつ車体部を後ろに20度傾けることによって苦労せず乗り込むことができる姿勢となる。しゃがんだときは普通の階段と同じ高さのステップの位置となり普通に乗ることができる。階段の走行時はへの字のフレームと車体が別々の動きになり、乗員がつねに水平移動しながら、階段を登っていく構造になる。



MOQBAはベースとなるシャシーとアタッチメントを組み合わせることで、シリーズ展開が可能。バイク仕様以外にも、だれでも乗れる車いす仕様や、救命救急で停電したタワーマンションでも急病人を運べる担架仕様、ゴミ収集の公共サービスにも展開可能な荷物を運べる運搬仕様など、さまざまな用途に展開できる。四本脚を持つモビリティは、移動の自由だけではなく、緊急時などに人が立ち入りにくい場所でも人とモノを運ぶモビリティとして地域社会に貢献できる。スズキは今後も継続的に開発を進めていきたいとしている。



〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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