2023/06/11 モータースポーツ

王者コバライネンが早くも独走体制。GRヤリス ラリー2はトラブルによりデイリタイア【JRC第5戦 京丹後ラリー】

●コバライネン+ファビアの速さに一矢報いる存在は現れるのだろうか?

2023年のJRC(全日本ラリー選手権)第5戦「YUHO RALLY TANGO supported by Nissin Mfg」が、6月10日にスタートした。チャンピオンシップをリードしている、ヘイッキ・コバライネン/北川紗衣 組(シュコダ ファビアR5)が6ステージすべてでトップタイムをマークし、総合首位でラリーを折り返した。

3月の新城から始まり、唐津、久万高原と続いてきたシーズン前半のターマック連戦は、この京丹後がラスト。日本三景「天橋立」を一望する展望台がいたる所に設置された、角突山、大内峠近郊の林道を舞台に、全12ステージで争われる。はたして、ターマックで敵ナシの速さを誇るコバライネン/北川 組にストップをかける存在が現れるのだろうか? 天候に恵まれドライ路面となった土曜日のデイ1は、京丹後市役所で行われたセレモニアルスタートから競技が始まった。

デイ1は、3本のSSを午前と午後でリピートする6ステージで構成。9.28kmのSS1から、早くもコバライネンは他を圧倒し始める。2位に3.3秒差をつけると、続く13.07kmのSS2では12.3秒、SS3(6.69km)で15.9秒とその差を広げた。午後のリピートステージもすべてステージベストでまとめたコバライネンは、デイ1だけで2位と45.3秒のマージンを構築。ここ丹後半島でもその速さを十分に見せつけている。総合2位には、同じくファビア ラリー2を駆る福永/齊田 組が着け、3位にはGRヤリス ラリー2の勝田/木村 組が入った。

しかし、勝田/木村 組のヤリスはSS5を走行中にエキゾーストのトラブルが発生。SS6はトップから12.7秒差でフィニッシュしサービスまで帰ってきたものの、これ以上のトラブルを回避するため念入りに整備することをチョイスすることとなった。サービスタイム内に整備を終えることができないため、デイリタイアとなり翌日の再出走につなげている。

これにより、総合3位にはJN2クラスでありながら速さを見せた奴田原/東 組が、同じく4位にはJN1クラス唯一のFFマシンで孤軍奮闘する新井/毛利 組がそれぞれ順位を繰り上げている。

久々の完全ドライ路面、そして京丹後のきれいな舗装状況もあり、各クラス本来のターマックでのパフォーマンスを十分に発揮した戦いが繰り広げられている。特に注目はJN3クラスのトップ争いで、昨年のクラスチャンピオンを最終戦まで争った竹内源樹と山本悠太が一進一退の攻防を見せている。その差はSS6終了時でわずか3.2秒。どちらが勝利するかは、まったく予想ができない状況だ。

京丹後

デイ2も同じ丹後縦貫林道を使った6ステージで争われるが、あいにく天気予報は雨。夜から降り始めると予報されている雨がどこまで残るのかが、勝負の分かれ道になりそうだ。今シーズンここまでウエット路面でも速さを見せてきたコバライネン/北川 組の優位性は変わらないだろうが、天候を読み切ったクルーが一番有利になることは間違いない。コバライネン+ファビアに一矢報いる存在は現れるのだろうか? 注目のデイ2は、4.56kmのSS7からスタートする。


<文と写真=青山朋弘>



京丹後

ドライバーWeb編集部

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