2023/02/18 ニュース

限定30台の特別なレヴォーグ! GTドライバー、井口卓人選手が監修「Takuty Special Edition」とは

特別なレヴォーグを購入したオーナーと、井口卓人選手

■井口卓人選手がプロデュースした特別なレヴォーグ

都内に新車・中古車の営業店舗を持つ東京スバルがスポンサードしているレーシングドライバー、井口卓人選手。スーパーGT・GT300クラスに参戦するスバルBRZ GT300を駆り、2021年シーズンに悲願のシリーズチャンピオンを獲得。昨シーズンは惜しくも連覇を逃したものの、今シーズンも井口選手と山内英樹選手の黄金コンビで参戦。さらに、新型WRX S4をベースにしたNBRレースカーによるニュルブルクリンク24時間レース・SP4クラスへの参戦や、スーパー耐久シリーズのST-Qクラスにカーボンニュートラル燃料を使用するBRZ CNFコンセプトで参戦するなど、スバルのワークスドライバーとして八面六臂の活躍を見せる。


●特別なレヴォーグ発売を記念して、井口卓人選手らによるトークセッションが行われた

スバリストの期待を一身に背負いながらモータースポーツという極限の舞台でマシンのポテンシャルを出し切り、激しい戦いを繰り広げる井口選手が、プロドライバーの目線でパーツを厳選・監修した東京スバル限定の特別なモデルが「レヴォーグTakuty Special Edition(タクティ スペシャル エディション)」。スーパーGT 2021 GT300クラスのシリーズチャンピオンを記念した特別仕様車で、レヴォーグ STIスポーツEXとSTIスポーツR EXをベースにした30台の限定販売車だ。



レヴォーグ タクティ スペシャル エディション(以下レヴォーグTSE)の企画が立ち上がったのは2021年の5月。自動車業界はコネクティッドや電動化、自動運転やシェアリングサービスの台頭など100年に1度の転換期にあって、販売会社として新たな取り組みを模索するなかで「東京スバルでしか買えない」という独自色を打ち出すために挑んだのが、特装車の企画・販売だった。

井口選手は当時のことを「ボクも東京スバルも特装車を作りたいという想いをお互いに抱き続けていました」と振り返る。井口選手自身、大のカスタム好きで、ノーマルのままでは乗れないタイプだという。これまで買ったクルマはすぐにアルミホイールを換えて、車高を下げてフェンダーとタイヤを「ツライチ」にするのは当たり前。そうした意識が欧州車を知ってから変化したという。

■カッコよくて、大人な乗り味を実現

「普通の国産車は吊るしのままだと『少し物足りない』印象でしたが、欧州車はノーマルのままでもタイヤとフェンダーの隙間があまり気にならず、ホイールのインセットもギリギリまで攻めている。手を加えなくても見栄えがするんです。だったら『初めからそういうクルマをディーラーで販売できたらいいね』と、東京スバルの担当者と話しが盛り上がって。ちょうどレヴォーグがフルモデルチェンジするタイミングだったので、それをベースにして第一弾を作ってみようということになりました」。

井口選手の理想は「シャコタン、ツライチ」だったが、ディーラーで販売する以上、スバル車の安心と安全を司るアイサイトの機能を損なうことは許されない。そこで、標準設定のサイズよりも1~2インチアップしたタイヤ&ホイールを履かせることで、見た目の安定感を高めることになった。「インチアップしてタイヤの扁平率を下げると、それに比例して乗り心地が硬くなることもあります。だからタイヤ銘柄の選定にこだわるのと同時に、プローバのモーションコントロールビーム(MCB)とクロスメンバーカラーを使って乗り心地を落さずに上質な乗り味にチューニングしました」と語る井口選手。「以前プローバのレヴォーグに乗った時、この2つのパーツが『いい味』を出していたのが印象に残っていて。それをぜひ限定車にも使いたいということでお願いしました」。

井口選手と東京スバルがこだわり抜いて選んだアイテムは以下のとおり。



外装:STIエアロパッケージ(フロントアンダースポイラー/サイドアンダースポイラー/リヤサイドアンダースポイラー/リヤアンダースポイラー)、フロントグリルLEDエンブレム(STI)、スバルWダイヤモンドKeePer、Takutyデカール白・黒2枚×3セット計6枚(非売品)

タイヤ&ホイール:ダンロップSPスポーツMAXX050+(225/40R19)、エンケイレーシングGTC02マットブラック(19×7.5Jインセット45)

内装:LEDサイドシルプレート(STI)、Takuty×リベラルシフトノブ(非売品)、Takuty×伊の蔵レザーキーケース(非売品)

機能系:プローバクロスメンバーカラー(フロント/リヤ)、プローバモーションコントロールビーム(フロント/リヤ)

販売価格は、レヴォーグSTIスポーツEX Takuty Special Editionの場合、車両本体価格409万2000円に特別装備合計価格109万6700円を足すと518万8700なのに対し、特別価格496万1000円で提供。これらの装備を単体で購入するよりも22万7700円お得になる計算だ。しかも、各ブランドと井口選手がコラボした非売品が含まれるので、井口選手のファンにとっては垂涎の1台といえるだろう。

■井口選手の特殊技能で完成した

1月28日に井口選手が監修した特別なレヴォーグを手に入れたオーナーを東京都・三鷹市のSTIギャラリーに迎えて催されたのが「Takuty Special Editionオーナーズミーティング」。トークショーでは井口卓人選手と東京スバル営業企画部部長の岡田謙一氏、STI広報宣伝部長の篠田 淳氏、プローバの吉田寿博代表、モータージャーナリストでスバルBRZ GT300公式応援団長のマリオ高野氏が登壇し、Takuty Special Editionの開発秘話が明かされた。



「上質な大人のレヴォーグ」というコンセプトを体現するために井口選手がセレクトしたパーツは、すべて実車に装着して井口選手自らハンドルを握ってテストを繰り返したうえで採用している。その過程で難しかったのが、異なるブランドのパーツを組み合わせながら車両トータルでバランスを取ること。STIの篠田氏は「パーツ同士のバランスを合せるのはすごく難しいんです。例えば、ホイールひとつ替えるだけでも走りのフィーリングが全然違ってくる。その点、井口選手はスーパーGTでもセッティング能力が高く、予選一発で勝負しなければならない場面でもバシッと決めてくれる。そうした特殊技能があるから、こうした特装車のパーツ選びなんかもすごく上手いんだろうなって関心しました」と、バランスの取れたTakuty Special Editionを高く評価する。

井口選手は自身の名前を冠した特装車について「ディーラーで販売されるクルマに自分のニックネームが入るという嬉しさ。やっぱりレースを頑張ってきてよかったなと思います。スバルと一緒に10年戦って、チャンピオンを獲らせてもらい、東京スバルさんにスポンサードもしていただきながら自分のこだわりを体現したオリジナルのクルマを作り出せて、それに乗られているオーナーさんがここにいるというのがすごく幸せです」と感想を語った。

「今シーズンは王者奪還を目指してGT300を戦います」とミーティングを締めくくった井口選手。大好評のレヴォーグに続き、BRZやWRX S4をベースにした第二弾、第三弾のTakuty Special Editionにも期待したい。

■オーナー、うれしくて涙する!

ミーティング参加者のなかで唯一のWRブルー・パールのボディカラーが目を引いた仲良し親子。「やっぱりスバルといえばこの色でしょ!」というノリで迷わずWRブルーを選んだオーナーのおとさんは、インプレッサに7年乗った後「これまでの人生で一番高い買い物」だというレヴォーグTakuty Special Editionを購入。娘のなっつさんは高校一年生だが、幼いころからボクサーサウンドを聞いて育ったので大のスバルファンに。おとさんはいつも応援している井口選手直々にTakutyデカールを貼ってもらい、感動のあまり涙をこぼした。なっつさんは将来の夢を「スバルに就職したいです」と力強く語った。



<文=湯目由明 写真=佐藤正巳>

ドライバーWeb編集部

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