2022/08/22 コラム

アルトに派生車の存在?「アルト スピリット」との商標…どんなクルマか?

●9代目となる現行型アルトは、2021年12月にデビュー。その直前に「アルト スピリット」との商標が出願されていた

■スピリット…大切な何かを象徴する意味合い

スズキが2021年11月18日に出願、2022年6月27日に登録された自動車などの分野(第12類)の商標に「ALTO SPIRIT(アルト スピリット)」がある。2023年3月ごろにアルトに何らかの派生モデルが登場するとの噂があったが、そのニューモデルのネーミングとして用意されたのではないかと予測される。

スピリットという呼称は、かつて日産が「ローレル スピリット」として使用。ローレルの高級感や豊かさといった“精神”を継承した、FFサニーの兄弟車となる小型ファミリーカーとして命名していた。その後、日産ではサファリの2ドアモデルのグレード名として再び使用。ホンダ オデッセイでは、エアロスピリット、ファインスピリット、ナビスピリット、スマートスピリットなど初代の特別仕様車を中心にモデル名の一部として使われた。さらにマツダでは、RX-7やRX-8の最終の特別仕様車として「スピリットR」の形でネーミングされた。

このように“スピリット”といえば、そのモデルが持つ精神、つまり“大切な何か”を象徴する意味合いで用いられていることが多いのである。

■アルト スピリットは、新しいバン? もしくはターボ車か?

さて、転じて「アルト スピリット」とはどんな意味合いなのか。アルトといえば、47万円の全国統一価格でデビューしたことや、乗用車的な内外装を持った商用車登録の“軽ボンネットバン”というジャンルを創出したことで知られている。アルトの精神はお洒落かつ良品廉価なクルマといったところだろうか。その意味からどんなニューモデルなのかを考えてみると、2021年12月にフルモデルチェンジした現行アルトの登場時にラインアップから消えた4ナンバーのバンの処遇が気になるところだ。4ナンバー車は初代から続くアルトのスピリットそのものと捉えることができる。

従って、新型アルトの4ナンバー版と考えられるが、「バン」ではなく「スピリット」とうたうからには新しい何かがあるはず。純粋に商用の用途だけではなく、レジャーにも使えるといった新時代のバンとしてのコンセプトや仕掛けがあるのかもしれない。

ちなみに、先代のアルトでは、本格的なスポーツモデルのワークスが登場する前に、スポーティな「ターボRS」が登場した。このアルト スピリットをそんなスポーティモデルと考えるならば、ワークスまでの本格派ではないターボ搭載車として考えるというのはいかがだろうか。軽量で、軽快な走りもアルトの身上だから、決してスピリットという名称も不釣り合いではないと思うのだが…。

いずれにしても、アルトクラスの全高を持つ、何かということだけは間違いないと思われる。今から楽しみである。

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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