2022/04/01 旧車

非凡な仕立てで大人気に!超絶癒やし系「日産パオ」とはどんなクルマだった? 

当時の写真もアドベンチャー!

■アドベンチャー感覚で乗りこなせ!

今から30年以上も前の話。1987年の東京モーターショーにて出展され、「ポストBe-1」として話題を集めた日産PAO(パオ)が発売されたのは1989年1月15日。予約受け付けは全ディーラーで同年4月15日まで。つまり3カ月という短期間限定で扱われたニューモデルだった。



「リゾート気分を感じさせるアドベンチャー感覚あふれるクルマ」として開発さえれたパオは、そのスタイルを見ただけで遊び心を刺激される楽しいクルマだ。



そのボディサイズは、全長3740mm、全幅1570mm、全高1475mm(キャンバストップは1480mm)、ホイールベースは2300mmで、全高が高い点をのぞけば当時のマーチとほぼ同じサイズ。


●三角窓は開閉可能。リヤサイドウインドは下半分が上ヒンジで開く。リヤゲートは上下2分割開閉式だ

バリエーションは、ノーマルルーフとキャンバストップ(電動)の2種類。トランスミッションは5速MTと3速ATで、駆動方式はFFのみ。



エンジンは1L直4 OHCのMA10型。キャブレター仕様で、最高出力は52ps/6000rpm、最大トルク7.6kgm/3600rpm。サスペンションはフロントがストラットでリヤが4リンク式。動力性能は平凡だった。



しかし、内外装はきわめて非凡。今でも乗ってみたい、所有したいと思わせる魅力を放っている。レトロタッチのフォルムだが、ドアなどのヒンジやビスなどの金属類、ボディ外板補強のためのリブを意識的に表面に露出させ、さらにルーフ上のファッションモールや鉄パイプ製のバンパーなどと併せてアドベンチャー感覚を強調している。当時、絶えて久しく採用されることのなかった開閉式三角窓、上下2分割式のりやサイドウインドーもユニークだ。

このボディ、見た目には懐古調に映るが、フロントまわりには樹脂パネルを採用、塗装も凝っている。フロントフェンダーとフロントエプロンに採用されたフレックスパネルは、スチールより軽量でサビず、成形の自由度が高く、軽い衝突なら形状が復元するなどの特徴を持つ当時先進の素材。エンジンフードは耐熱性に優れたSMC樹脂だ。塗装は、新型ローレルにも採用されたフッ素樹脂塗装が標準で、アクアグレー、アイボリー、テラコッタ(素焼き土器の色)、オリーブグレーのボディカラーを簡単な手入れだけで美しく保つとのふれこみだった。




●インパネはボディと同色の鉄板がむき出し。スイッチ類、レバー類もシンプルさを強調するデザインだ。ステアリングはパワーアシスト付き。ダッシュ下のカセットデッキ一体型アナログ式AM/FM電子チューナーラジオは、リヤサイド2スピーカー(下)とともにメーカーオプション

インパネは鉄板むき出しだ。シンプルなメーターや、アイボリーのステアリング&シフトノブ、麻感覚のシートクロスなど、シンプルでシャレている。装備面でも全車がパワステ、電磁式ガラスハッチオープナー、テンションレスELR前席シートベルトなどを標準とするなど、なかなか充実していたのだ。


●シートクロスは麻感覚の肌触り。形状はあくまでシンプルだ

パオ独特の持ち味を大切にした、スチール風のアルミホイールも秀逸。取りはずして野外でも使えるステレオ、キャリングボックスなどの“おもしろオプション”にも注目が集まった。

当時、パオの新車価格は122万円から。現在の中古車価格を見てみると、当時よりも高騰しているものもある。その人気は、いまなお継続中なのだ。

ドライバーWeb編集部