2020/04/20 旧車

“マツダ以外”にもマニアック多数!世界のロータリーエンジン車7選

●写真は世界初のRE搭載市販車

バンケル型ロータリーエンジン(RE)を搭載した市販車は、マツダ製以外にもいくつかあった。そのどれもが短命だったり成功作とは言えなかったりしたが、確かに「未来」を夢見させてくれたモデルたちであった。


■なかなかうまくいかなかったRE車

1)世界初のRE搭載市販車
NSU WANKEL SPIDER(西ドイツ)〜1964年〜



世界初のRE搭載市販車は、本家NSUより1964年に発売されたバンケルスパイダーである。車体は同社製プリンツをベースとし、後部に搭載したシングルローターREで後輪を駆動。軽い車体も相まって、スポーツカーとしてかなり高い走行性能を見せた。総生産台数は2375台とされ、日本国内には少なくとも2台現存する。



バンケルスパイダーの500㏄シングルローターエンジン。同車の発売によりNSUはRE提唱者としての「面目」を保った。だが、RE自体の耐久性については根本的な解決がなされておらず、トラブルも少なからず発生したという。



RRレイアウトで、エンジンが最後部でトランスミッションが前方にマウントされる。エンジン本体が非常に小型なため、エンジンルーム上部にフタをして浅いながらもトランクスペースを設けることができた。

2)NSUブランド最後のモデルに
NSU Ro80(西ドイツ)〜1967年〜



2ローターRE車の発売で日本の東洋工業(マツダ)に先を越されたNSUは1967年、Ro80という名の4ドアセダンを発売する。バンケルスパイダーのエンジンを基本に2ローター化し、トルコン併用の3速ミッションを組み合わせて180㎞/hの最高速を発揮した。だがこの時点でもNSU製REは未熟でトラブルが続出し、エンジン載せ替えなど巨額の対策費が経営を圧迫。最終的にはアウディに吸収される形となり、同車はNSUブランド最後のモデルとなった。REで一躍脚光を浴び、REで消滅するとは皮肉と言うほかない。なお、同車は日本でもごく短期間、輸入および販売がなされ現存する個体もあるようだ。

3)車名は“2ローター”を意味する
Citroen GS Birotor(フランス)〜1972年〜



1970年に発表されたシトロエンのGSシリーズは、小型車アミと上級車DSの中間を埋めるクラスとして設定。それに1000㏄/107psの2ローターREを搭載したのがGSビロトールだ。車名の"ビロトール"とは、フランス語で「ふたつのローター」を意味する。シトロエンはNSUとタッグを組み、1967年にルクセンブルクにコモトール社を設立し、同時にREのライセンスを取得した。ここで開発した2ローターREを同車に搭載したのである。2年間での総生産台数は847台とされる。

ドライバーWeb編集部

RELATED

RANKING