幕張メッセを舞台にスタートした東京オートサロン2020。その初日となった1月10日、トーヨータイヤブースで発表されたのは、通称マッド・マイクことマイケル・ウィデット選手のブランドアンバサダーとしての起用。スポンサー契約を結び、マッド・マイク選手のドリフト競技を含むさまざまな活動をサポートしていくという。
マッド・マイク選手は、「Goodwood Festival of Speed」など世界各地のモータースポーツイベントに参加し、卓越したパフォーマンスを披露するドリフトパフォーマー。同選手は、2018年フォーミュラドリフト日本チャンピオンに輝くなど、ドリフトレーサーとしても活躍するかたわら、地元ニュージーランドではドリフト競技の普及に力を注ぐドリフトスターとして、グローバルに知られている存在。
トーヨータイヤでは、高品質、高性能タイヤとブランドプレゼンスをグローバルに訴求していくために、ブランドアンバサダーとして同選手を起用。ウルトラハイパフォーマンスタイヤ「PROXES」シリーズを同選手の車両に供給するという。
そんなマッド・マイク選手を含め、トーヨータイヤとスポンサー契約を結ぶドライバーたちがトーヨータイヤブースに集結。アメリカのプロドライバーで、ドリフトパフォーマンスが大人気のケン・ブロック選手、D1グランプリで活躍、300km/hオーバーでドリフトを成功させギネス記録を更新した川畑真人選手、バハ1000で優勝をもたらしたメキシコ出身オフロードレーサーのアラン・アンプディア選手、以上4人の豪華な顔ぶれだ。
ケン・ブロック選手は、「競技でもプライベートでもトーヨータイヤを使っている。とてもいいタイヤだよ」と絶賛。川畑真人選手は、「ドリフト用タイヤの『プロクセスR888R』はとにかくグリップがすごい。しかも限界がわかりやすい」、そしてアラン・アンプディア選手は、「バハはほんとうに過酷だったけれど、トーヨータイヤはまったく問題なかった」とそれぞれ語り、トーヨータイヤの魅力を集まる観客にアピールしていた。
また、スペシャルゲストとして登場したのは、FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRESのチーム監督を務める俳優の哀川翔さん。2018年にはアジアクロスカントリーラリーに自らステアリングを握って参戦、見事完走した経験を持つ。2019年は川畑真人選手をドライバーに起用してガソリン車部門で第2位となった。
なぜドリフトドライバーの川畑真人選手をアジアクロスカントリーラリーにスカウトしたのか? 哀川翔さんは、「昨年のオートサロンで、川畑選手が操るドリフトマシンの助手席に乗ったときに、『これほどのテクニックならアジアクロスカントリーラリーでもイケる!』と思った」とのこと。
哀川翔さんに声をかけられた川畑真人選手は、「いいですね、やってみたいですねと軽く返事をしてしまったら、外堀がどんどん埋まっていった」と苦笑い。「でも、あんなに過酷なラリーを経験させてもらって、非常に感謝しています」と語っていた。
ケン・ブロック選手、マッド・マイク選手、川畑真人選手の3人のトークショーでは、「死ぬと思った瞬間はありましたか」とか、「レース中にビビったことはありますか」などの質問に3選手が答えるコーナーも。さらに観客からの質問にも答えてくれるコーナーなどもあり、アットホームかつ楽しい、トーヨータイヤらしい演出の数々。
宴もたけなわ…というときに、サプライズがあった。ブランドアンバサダーに就任したばかりのマッド・マイク選手に、バースデーケーキが振る舞われたのだ。1月10日はマッド・マイク選手の誕生日。川畑真人選手は、フォークを持つなり「食べさせてあげるよ」とマッド・マイク選手の口にケーキを放り込む。笑顔のマッド・マイク選手は、チョコ製の巨大な誕生日プレートを豪快にガブリ。会場はお祝いムードとなった。
そういえばプレスカンファレンスの冒頭で最初に登壇したトーヨータイヤの清水隆史社長は、「われわれのブースは、商品訴求やプロモーションだけではない。コミュニケーションに重きを置くことで、トーヨータイヤの世界観を味わってほしい」と語っていた。確かに、ことさらタイヤの説明を行わず、選手たちから伝わるトーヨータイヤへの厚い信頼が、いつのまにかブース内に充満。マッド・マイク選手が駆る4ローターのRX-7や、川畑真人選手のGRスープラなどの展示、さらには「オープンカントリー」シリーズを装着したジープ・グラディエーターなど、素直に「クルマって楽しいよね」と感じられるブース内容だった。
〈文&写真=driver@web編集部〉
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