2018/03/27 ニュース

EVのピンとキリを攻める!「タジマEV」が始動。

モンスター田嶋こと、タジマモーターコーポレーションの田嶋伸博代表取締役会長兼社長は、新たに電気自動車(EV)事業の新会社「タジマEV」を2018年4月4日に設立する。これに先立ち3月26日、東京タワーメディアセンター(東京都港区芝公園)にて設立発表会を開催した。
タジマモーターコーポレーションは、2013年、電気自動車の先行開発を行う「SIM-Drive」にてEV事業に参画しており、EVでのパイクスピーク挑戦や車両の独自開発を行ってきた。先行開発事業から本格的なEVビジネスに参入するため、2017年に「SIM-Drive」を解散。1年の準備期間を経て、EVの普及促進と事業化を行う「タジマEV」としてスタートすることとなった。EV事業者として後発となる「タジマEV」が掲げる事業方針は、「EVのピンとキリ両方でNo.1を目指す」こと。モンスター田嶋が50年にわたりモータースポーツとモータリゼーションに関わる取り組みで得た知見を軸に、EV分野のエキスパートや最先端企業の力を集結、新しいEVだけでなく、EV社会の可能性を追求した”Mobility Life Design”の事業開発を行う。田嶋氏は「日本の一流の技術を集結して高性能なハイパーEVを造り、世界に日本の技術をアピールしていきたい」とし、さらに「身近なマイクロEVで生活に必要な足としてEVを普及させたい」と2つのEV事業の取り組みについて語った。EVのマスの部分は大手自動車メーカーに任せて、ニッチな部分をピンとキリに例えて、その分野でナンバーワンを目指すという。これを基に「タジマEV」は、おもに以下の3つの事業を展開する。

1.ハイパーEV プロジェクト


●最高性能のハイパフォーマンスEVを、最先端の技術と欲しいと思わせるデザインで提供するハイパーEVプロジェクト。車両左にあるのは高出力を実現する「モンスターバッテリー」
これは、「世界最高の性能とスタイリングを持ったハイパースポーツカーを生み出す」ものとし、車両デザインに世界的工業デザイナーであり、KEN OKUYAMA DESIGN代表の奥山清行氏を起用。車両運動制御の開発は東京大学 堀・藤本研究室の四輪独立制御技術、EVの動力性能をつかさどるハイパワーバッテリーには、リチウムバッテリーの生みの親でもある、小澤和典氏が代表取締役を務めるオザワエナックスのモンスターバッテリーを使用する。また、撮影機材としてGoProが事業パートナーとして開発をサポートする。 

2.超小型モビリティ プロジェクト


●短距離移動に特化した超小型モビリティの開発などを行う。写真は発売予定の2人乗りマイクロEVと、ダイヘンがすでにAGV(無人搬送台車)で実用化している非接触充電システムを応用し開発中の、超小型モビリティ用700Wワイヤレス充電システム「D Broad EV」
超小型EVや、急速充電、非接触充電、カーシェアリング、自動運転といったクルマだけでなく、それを取り巻く環境の整備を含めてEV社会のインフラをパッケージとして開発。使いやすさとわかりやすさをデザインすることで、生活への浸透を目指す。軽自動車よりも小さなマイクロEVを軸に充電設備から自動運転技術によるサポートなど、生活圏のインフラを整備。高齢化や過疎化による生活の足として、短距離移動での利便性を図るものだ。事業パートナーには、交通インフラと通信技術開発を行うIoTコネクテッド関連事業にKDDI、車両の販売はヤマダ電機、車両整備などのサービスは石油元売りのネットワークを活用。車載バッテリーではオザワエナックス、ちょい乗りでも充電のわずらわしさを感じさせない非接触充電システムの開発にダイヘンが参画する。今回の新会社設立に際して、発売予定のマイクロEV「タジマ・ジャイアン 超小型モビリティ」のプロトタイプも展示されていた。 

3.静岡県自動運転プロジェクト

2019年ラグビーワールドカップが開催される、静岡県袋井市のエコパスタジアム周辺において自動運転導入を目指し、静岡県 交通基盤部がパートナーとしてプロジェクトをサポートする。 

マイクロEV「タジマ・ジャイアン 超小型モビリティ」

2019年の発売を目指し、公道での実証実験を開始している。タジマEVが企画、中国の「ジャイアン」で生産される2人乗りマイクロEV。スペックは、全長2545mm × 全幅1290mm × 全高1570mm、ホイールベースは1800mm、トレッド前100mm/後1090mm、重量530kg。10kWhのリチウムバッテリーを搭載し、最高速度45km/h、1充電走行距離は190kmとしている。価格(税別・予価)は、標準モデルが117万円。エアコンやパワーステアリング、ドライブレコーダーなどの快適装備装着車は132万円。これに「地域交通グリーン化事業」補助金(登録申請中・平成29年度は車両価格の1/3の補助実績だった)が適用すれば、さらに手に届きやすい価格になる。



  
タジマEVhttp://www.tajima-ev.com

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