2024/07/23 カー用品

知らずにイジるなジムニー! オフロードサービス タニグチに聞く、ドレスアップ&チューニングのキホン

低速で段差の多いオフロード走行では、よくストロークしてしなやかに路面に追従する柔らかめのサスセッティングが走りやすい

自分の理想のクルマに仕上げるために行うドレスアップやチューニング。でも、やみくもに行うと逆に理想から離れていくことにもなりかねない。プロショップに注意点を聞いてみた。


「カスタムの方向性を決めることが重要です」

オフロードサービス タニグチ 
代表取締役

谷口 武さん

●ジムニーカスタムに精通しながらアウトドアレジャーの達人でもある谷口さん。ユーザー目線で乗り心地や理想のスタイルを追求し、3種類のサスペンションをリリースする


デメリットだってある

ジムニーを購入し、これからカスタムしようという人は多い。「とりあえず、ノーマルよりもカッコよくしたいけど、失敗するのはイヤ」というオーナーへ、ジムニーカスタムのスペシャリストである谷口さんに重要なポイントを教えてもらった。

「実際に受ける相談でも、何から始めるか、どうすればいいのかわからないという方が結構いらっしゃいます。カスタムで理想を実現するポイントは『自分が何を重視するのか?』ということ。見た目なのか、性能を追求するのか、あるいは実用性を高めたいのか。ある程度の方向性を決めることで、目的に合ったカスタムパーツを選択できるのです」

確かに、中途半端な知識や情報から欲しいパーツを装着すると、想像とは違う結果になることがある。まずは目標を定めることが大切なのだ。

「多くの方が求めるのは、カッコよくすること。ジムニーならオフロード系タイヤを履いてリフトアップすれば、4WDっぽい精かんなスタイルに仕上がります。ここで理解してほしいのが、カスタムするということは純正ではなくなるということ。保安基準に適合するパーツでも、組み合わせによってはNGになる場合もあるので、正しい知識が必要です。

また、いい面ばかりを期待しがちですが、デメリットが発生する場合もあります。例えばブロックパターンのタイヤを履くとロードノイズが大きくなるなど、理解しないで装着すると後悔することもあるでしょう。乗り心地にしても、オフロード走行用にリフトアップするサスペンションなら、オンロードではフワフワして不安に感じるかもしれません。製品ごとに走行ステージのコンセプトがありますので、自分の使い方に合ったものを選んでください」



●ワイルドなマッドテレーンタイヤを履くとパターンノイズが気になることも多い。空気圧の管理を怠ると偏摩耗し、ノイズの増大やハンドリングが悪くなる。また、ワインディングや高速道路など、中高速域の舗装路ではグッと踏ん張る硬めのサスペンションが安定する。積載が多いとなおさらだ

安易なパーツ選びには注意


タイヤやサスペンションの選び方で、コンセプト以外の注意点は?

「ある程度理解していても、ロードノイズがどれくらいか、ハンドリングがどう変わるのかは、個人の趣向によって感じ方が変わってきます。一番いいのは自身が試乗することですが、そういう機会がないならインターネット上のクチコミをチェックするなどして、自分に近いユーザーの意見を参考にしてください。

落とし穴になりがちなのが、大径タイヤへの変更です。雑誌などを見て掲載車と同じサイズを通信販売で購入したら、いろいろ当たって装着できない……というのはよくあるハナシ。サスペンションのリフトアップやショートタイプのバンパーへ変更するなど、タイヤサイズに応じたカスタムが必要なこともあります。

また、通販でタイヤ&ホイールをセットで購入する場合は、自分で脱着する人も多いことでしょう。スタッドレスタイヤをシーズンごとに履き替える人にも言えるのですが、ホイールナットを締める際にはトルクレンチを使ってください。緩むのが不安で腕力で目いっぱいに締めてしまうと、ネジ山が変形してしまいかえって固定強度が落ちてしまいます。走っているうちに緩む可能性があるので、締め付けの適正トルクを守ってほしいのです。安価なトルクレンチでも手締めより信頼できますから、この点は肝に銘じてほしいですね」

実際、不幸なタイヤ脱落事故のニュースを耳にした人も多いことだろう。安易なDIYには、思わぬ危険が潜んでいることを覚えておこう。

「サスペンション選びは、やはり乗り心地が重要です。安く抑えたい気持ちはわかりますが、それぞれの機能やパーツ点数を考慮すれば、相応の価格になるのは当然。高い品質を求めるなら、ちゃんとジムニー専用に開発されたブランドのものを選んでほしいですね。また、リフトアップ量についても注意が必要で、プラス20mmを超えてくると法規的に安全対策の追加カスタムが必要になります。詳しい内容は仕様によりますので、プロショップに相談するのが確実でしょう」

ひとりで悩んで失敗するなら、最初からプロショップに相談するのが理想を実現する早道かもしれない。


オフロードサービス タニグチ

所在地:兵庫県姫路市豊富町御蔭1110-2
営業時間:10:00~19:00
定休日:水曜日、第1・2・4・5土曜日、第3日曜日


ジムニーの老舗カスタムブランドとして、全国区の人気を誇るオフロードサービス タニグチ。オリジナルパーツはもちろん、ジムニーカスタム全般の相談に乗ってくれる心強いプロショップだ。

〈文=川島秀俊 写真=伊藤吉行〉

■問い合わせ先
オフロードサービス タニグチ
TEL:079-264-4455 
https://www.ors-taniguchi.co.jp/

ドライバーWeb編集部

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