2022/12/19 コラム

新型セレナの「ルキシオン」とはどんな意味? 星野朝子副社長「とんでもない名前を」との意向から

「LU」と「ION」を「X」で掛け合わせるという意味も

■「ルキシオン」と名付けられた理由

ルキシオンは新型セレナの最上級グレードとして新たに設定されたグレード名である。従来はハイウェイスターGと呼ばれていたモデルで、高速道路でハンズオフ運転ができる先進安全装備の「プロパイロット2.0」が唯一設定される注目のグレードである。

プログラム・デザイン・ダイレクターを務める入江慎一郎氏は、ルキシオンについて次のように語っている。

「e-POWER、プロパイロット2.0の神がかったパワートレーンというんですかね、性能をどうやって訴求していこうかというときに、それにはやっぱり新しいグレードを追加して、特別感みたいなものを訴求したほうがよいのではないかと。お客様にとってみても差別感とか、わかりやすいグレードということで認知してくれるのではないかなと。といった思いで開発の最後の最後に出てきたアイデアがルキシオンだったのです。バッジも急遽新規で起こしまして、車体に取り付けさせていただいたという経緯です。ルキシオン専用で新しく書体も含めて開発しました。当然、セレナというロゴとも愛称のいい書体にしてあります」

マーケティングを担当した池田浩司氏はルキシオンの由来について、「高いクオリティ(Luxury)と神の国(ZION)からの造語です。神がかった手さばきを持つプロパイロット2.0を象徴するようなところがあり、その2つがクロスするということで、Xをクロス風のモチーフにしてロゴを作っています。つまり、LuxuryとZIONという言葉で上質と神がかった技術の集合を示しているわけです」と話す。

グレード名は、わずかな期間のなかで100案以上、案出しを行ったという。上質感や頂上感などトップグレードにふさわしい方向性のものと、例えばプロパイロットエディションのように名前を聞いただけでも仕様がわかる案も。だが最終的にはせっかく新しく付けるネーミングにふさわしく、インパクトを大事にしたいという思いからルキシオンが選ばれた。

ミニバン初のプロパイロット2.0を装備するなど、ミニバンにとんでもないものが付いたので、「とんでもない名前を」という星野朝子執行役副社長の意向も。一見すると意味が伝わりにくい可能性もあるが、「ルキシオン」は語感もよく、神がかった技術を示すグレード名を選択したと伝えられている。

グレード名ひとつにも多くの思いが込められているのである。

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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