チューニングパーツの開発・販売を生業とするブリッツがレーザー&レーダー探知機市場に初参入。チューニングカーとレーザー&レーダー探知機は確かに親和性が高いかも……と思って取材をしてみたら、メインターゲットは正反対! 新たなジャンルにチャレンジする同社の意気込みは相当に強かった。
吸排気系や足まわり、エアロパーツなどさまざまなチューニングパーツを手がけるブリッツ。そんな同社が新たに開発したのがレーザー&レーダー探知機「タッチブレイン レーザー」だ。ブリッツにとっては畑違いとも言えるレーザー&レーダー探知機の市場に参入したのはなぜか、企画部の小林 徹さんに聞いた。
後発だからこそのこだわり 「もともと電子パーツは得意分野なのですが、ここ10年ほどは車高調整式サスペンションなどハードウェアに力を入れており、電子パーツ系の開発に力を割けなかったという事情があります。その状況を打破すべく2022年は電子系パーツを新しく発売する年として、弊社が強みとしているOBDの技術を生かし、レーザー&レーダー探知機にチャレンジすることになったのです」
ブリッツ 企画部 エキスパート 小林 徹さん
新規参入するにあたってどこに注力したのだろう。
「とにかく、最新のレーザー式の取り締まりに対応することに注力して開発しました。具体的には、受信部に『クワッドセンサー』を採用しています。文字どおり4つのセンサーを搭載していますが、この方式を採用するのはブリッツだけです」4つものセンサーを搭載するのはどんな理由があるのだろうか。
「可搬式の小型オービスなど予期せず現れるものに対して早めに警報を発することができれば安心・安全に使っていただけるとの思いからです。また取り付け位置による受信性も考慮しました。可搬式小型オービスの場合、走行車線の左方向、助手席側からレーザー光が照射される場合が多いのですが、レーザー&レーダー探知機は運転席側の見やすく手が届く所に設置される方がほとんどです。取り付ける位置や角度によっては受信感度が弱くなる可能性がありますが、センサーを4つ搭載することで1回のレーザー照射に対してどれか1つでも反応すればすぐに警報を発することができます。レーザー光をより広い範囲で受信できるようセンサーの配置も細かくチューニングしています」基本性能には差をつけない タッチブレイン レーザーはタッチパネル方式の3.1インチ液晶を搭載したスタンダードモデルのTL311Rと、2.4インチ液晶と物理スイッチを搭載したエントリーモデルのTL241Rをラインアップ。どちらもクワッドセンサーを搭載する。
「画面サイズにより一度に表示する項目数の違いがありますが、レーザー光とレーダー波の受信性能は同等で、GPSポイントデータも21万件以上を収録していますので、どちらを選んでも安心してお使いいただけます」ちなみにTL311Rはオプションの無線LAN対応SDカードで最新のGPSデータや地図データ、公開取締データ、取締共有データを自動で更新可能となり、走行中にスマートフォンとテザリングしておけばレーザーとレーダー波を受信した場所をクラウドサーバーに送信。このシステムを使用しているユーザー間でリアルタイムに取締情報の共有が可能になるなどの付加機能も使える。
情報の新鮮さにも抜かりなし新参入ゆえに発売まではかなり苦労したという。例えばレーザーやレーダーの受信性能の検証などは、開発陣のほか、営業スタッフが全国で実走検証して煮詰めてきたというが、やはり神出鬼没な可搬式小型オービスにはなかなか出会えず苦心したそうだ。
また、固定式オービスについては稼働を停止もしくは撤去されたものもあるので、これらのGPS情報も更新する必要があり、情報収集や確認に時間をかけたという。
このほか、ユーザーの投稿による情報共有システムも活用している。前述の無線LANを利用したリアルタイム情報共有システムを含め、最新の情報を利用できるというのは心強い。
OBDモニター機能にも注目興味深いのは、ブリッツが強みとするOBDモニター(車両情報表示機能)を搭載するも製品パッケージも含めてアピールは控えめなこと。
「パッケージにはパステル調の色合いを採用しています。ブリッツブランドを知らなくてもいい商品であるとわかっていただけるように、デザイン面でもかなり気を遣いました。一般の用品として選ばれるものですので、OBDモニターで車両情報が確認できるといった少しマニアックな情報はあえて控えめに掲載しています。また、OBDアダプターもオプションとしています。メーカーとしてはOBDモニターの機能も使っていただきたいのですが、まずはレーザー&レーダー探知機として選んでいただき、オプションの追加でさらに多くの情報を便利に使えるんだ、と感じていただければうれしいですね」他社のレーザー&レーダー探知機でも車両情報をOBDから取得しているモデルがあるが、ブリッツが持っている車種情報の多さは圧倒的とのこと。本来ならOBDモニターとしてでも強く打ち出せるのだ。ちなみに現在販売されている国産車であれば9割以上(レクサス・トヨタ車は全車対応!)は適合が取れているそうだ。
レーザー&レーダー探知機としての安心性能にこだわり、OBDモニターとしても便利に使える。魅力的な製品に仕上がっている。
BLITZTouch-B.R.A.I.N. LASERTL311R価格:3万6300円
●スタンダードモデル。パステルカラーのパッケージが新鮮。初めてレーザー&レーダー探知機を検討する人にも特徴が伝わるようデザインにもこだわった
●本体右上に見えるレーザー受信部には素早く検知することを目指し4つのセンサーを内蔵。この「クワッドセンサー」は、さまざまな車種への装着を配慮して配置にもこだわる
●オプションのOBDアダプターを使えばさまざまな車両情報を表示可能。好みの情報を待ち受け画面に設定できる。警報時は画面の左右にあるスイッチ部と下側のLEDが点滅
●GPSスポットデータも豊富に収録。警告エリアに近づくと情報の種類を表すアイコンが割り込み、アラート音とともに注意を促す。学校や病院付近など特に慎重な運転が求められる所も知らせてくれる
BLITZTouch-B.R.A.I.N. LASERTL241R価格:2万6400円
●スタンダードモデル同様に柔らかいイメージのパッケージを採用。レーザー&レーダー探知機コーナーに並んだときに存在感が際立つことを狙った後発メーカーゆえのチャレンジだ
●2.4インチ画面を搭載したTL241Rはレーザー&レーダー探知機としてはコンパクトなサイズ。エントリーモデルにもクワッドセンサーを搭載。レーザー受信性能はハイレベルだ
OBDⅡアダプター同社こだわりのOBDモニターを利用するにはオプションのOBDⅡアダプターを使う。正確な車速やさまざまな情報を取得可能で、シガープラグを使わずに電源供給できるのもポイント。
〈文=ドライバーWeb編集部・兒嶋 写真=佐藤正巳/編集部〉
■問い合わせ先
ブリッツ
TEL:0422-60-2277
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