2022/03/01 新車

日産キャラバンのディーゼル車がマイナーチェンジ…三菱製の新開発ユニットを搭載した理由

アライアンスを生かしたエンジン刷新

日産は2022年2月28日、キャラバンのディーゼル車にマイナーチェンジを実施し、4月下旬に発売すると発表した。価格は309万5400〜418万2200円。2021年10月に行われたキャラバンのガソリン車に続くマイナーチェンジで、ディーゼル車についても車名が「NV350キャラバン」から「キャラバン」に改められた。



内外装や装備などは、一足先に改良を受けたガソリン車に準じており、歩行者も検知可能なインテリジェント エマージェンシーブレーキや、インテリジェント アラウンドビューモニター、踏み間違い衝突防止アシストなどの先進安全装備も採用。最上級グレード「グランドプレミアムGX」もラインアップされる。

最大のポイントは、ディーゼルエンジンの刷新。従来の2.5L直列4気筒・YD25DDTi(129馬力/36.3kgm)から三菱製の新開発2.4L直列4気筒・4N16(132馬力/37.7kgm)に変更した。排気ガス処理に尿素水でNOxを低減させる尿素SCRシステムを採用することで、厳しい平成30年排出ガス規制に適合するクリーンなエンジンとなっている。



4N16はデリカD:5などに搭載する2.2Lディーゼルの4N14、東南アジアのパジェロスポーツ、トライトンなどに搭載する2.4Lディーゼルの4N15と同系列のパワーユニット。4N15の2442cc(181馬力/43.9kgm、圧縮比15.5)に対して、4N16は2439cc(132馬力/37.7kgm、圧縮比15.1)と出力レベルを下げて最適化している。燃費性能はガソリン車にも採用する7速ATの搭載によって、12.4㎞/Lから13.9㎞/L(JC08モード)へと12%アップしている。このように新開発エンジンは、環境性能とパワー、燃費を両立させたユニットということができる。なお、このユニットは現段階ではキャラバン専用で、他車種への搭載は検討中であるとしている。

三菱製のエンジンを採用した理由について日産は「アライアンス内で採用できるアセット候補の中から、国内向けの規制対応を含めた環境性能、およびクルマの各性能を考慮して、アライアンス全体としてシナジーが最大となるような選択をしたため」と説明している。ディーゼルエンジンの詳細と試乗レポートは後日お伝えする予定。ちなみに、今回の改良でディーゼル車のMT車を廃止(ガソリン車を含めて全車MTを廃止)し、ディーゼル車のワイドボディの設定がなくなった。

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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