2020/02/04 ニュース

WRCで本領発揮か!? ピレリが2021年から供給するWRC仕様スタッド付きタイヤを発表

WRCと結びつきが強いピレリ

WRC(世界ラリー選手権)に2021年からタイヤの独占供給が決まっているピレリ。早速WRCで使用するスノー&アイス路面用のスタッド付きタイヤを、20年2月1〜2日にオーストリアで行われた「2020 GPアイスレース」で発表した。

発表されたタイヤはシーズン唯一のオールスノーラリーでもある、ラリー・スウェーデン用に開発され、名前は「Sottozero Ice J1」。205/65R15サイズのトレッド表面にはびっしりとスタッドが埋め込まれ、ピレリ独自の技術がスタッドの安定性にも寄与しているようだ。


●1997年のスウェディッシュを走るスバル インプレッサWRC97。ケネス・エリクソンが勝利している

ピレリは昔からラリーとの結びつきが強いタイヤメーカーでもあり、ラリーフィールドで培った技術を市販タイヤに反映させている。日本でも有名なP Zeroは、グループB時代ランチア デルタS4に供給したタイヤが元になり設計された。スバルがマニュファクチャラーズ選手権を3連覇したときも、ピレリがインプレッサの足元を支えていた。

21年からはF1とWRCの両方

そして今回のスタッドタイヤは、歴代のラリーカーから最新のレースカーまで一堂に会する2020 GPアイスレースにて、実戦テストも兼ねて投入された。参加するヒストリックカーやモダンカーに装着されたのは、7mmスタッドの「Sottozero Ice」と、2mmスタッドの「Sottozero Snow」。どちらも頑丈なブロックと、先端をタングステン製としたスタッドが特徴だ。


●ピレリ Sottozero Ice

動画でこのアイスレースの模様を見たが、雪の路面でもしっかりとトラクションがかかって、どのクルマも元気に走っていたのが印象的だった。少なくとも、F1のように競技チームから不平不満が続出するような事態にはならなさそうだ。

ピレリのWRCへの独占供給は、21〜24年までの4年間を予定している。スノー&アイス用以外はまだ発表されていないが、どんな特徴が出てくるのだろうか。21年は、ピレリが同様に独占供給するF1が18インチタイヤを導入するタイミングでもある。WRCもターマック用は18インチなので、外観にWRCとF1、そして市販タイヤへ共通のデザインを取り入れてくるかもしれない。

FIAのトップカテゴリーを2つも独占することになる、ピレリ。市販タイヤも含めて、その動向から今後は目が離せなくなりそうだ。

<文=driver@編集部・青山>


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