2023/04/19 新車

今、スポーツワゴンを選ぶ理由|スバル レヴォーグ|

低重心かつ低振動。そんなボクサーエンジンとバランスに優れたシンメトリカルAWDのうま味を存分に味わうなら、やっぱりコイツだ。レガシィツーリングワゴンのDNAを受け継いだ、時代が求める理想のGT像。レヴォーグならロングランは朝飯前、キャンプだって屁のかっぱ!

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ザ・スバルを体現
 
いきなり個人的な話で恐縮だが、次期愛車にステーションワゴンを考えている。国産でいけば、トヨタ カローラ ツーリング、マツダ6ワゴン、そしてスバル レヴォーグ。ワゴンなんてヨリドリミドリの時代はいつのことだったか。趣味のキャンプを考えれば、「SUVでしょ?」という声も当然だが、ワゴンがいい。それはけっして天の邪鬼な選択肢ではないのだ。
 
なかでもレヴォーグは最右翼。その理由は、何はともあれ「低さ」。あらためて乗ってみると、取材で試乗する機会の多いSUVたちとはまったく違うフィーリングなのだ。言わずもがなだが、搭載位置の低い水平対向エンジン、それらパワートレーンを左右対称に配置するシンメトリカルAWDが生み出す重量バランスのよさが際立っている。
 
その安定感は、あらゆる道で実感できる。ワインディングでの気持ちよさはもちろんだが、何といっても高速道路をズバーン!と快走できるGT性能は頼もしいかぎり。スバルの虎の子であるアイサイトに頼らずとも、どこまでも走っていけそうな乗り味にニンマリする。
 
パワートレーンは2種類。1.8Lターボモデルは低回転域からキレイにトルクを発生させるエンジン特性のおかげで加速も至極スムーズ。トランスミッションとの協調も見直され、アクセル操作に対してクルマが素直に反応するようになった。2.4Lターボを積むスポーツR系なら……DCT並みのレスポンスを誇るSPT(スバルパフォーマンストランスミッション)が怒濤の加速力を紡ぎ出し、レーシーで刺激的な走りが味わえる。じつにホットなレヴォーグだ。
 
そういえばスバルの弱点だったシートも、現行型から格段にレベルアップ。シート背面に背骨を支えるプレートを追加、姿勢を維持しやすくなっていてロングドライブでも疲れない。腰痛持ちでも安心だろう。
 
キャラ変できる足
 
さらにレヴォーグの魅力を際立たせるのが、ZFの電子制御可変ダンパーだ。ミドルクラスワゴンとしてはゼイタクな装備だが、これがまさか初モノとは思えぬ完成度。STIスポーツ系に標準装備となるそれは、走行状況に応じて減衰力を可変制御する。
 
具体的には、前輪左右のダンパーに搭載する加速度センサーでばね下の動きをモニターし、ばね上の動きはシート下に搭載するECUに組み込んだ加速度センサーとジャイロセンサーでもセンシング。これらセンサーを使い、タイヤと車体の動きを検知し、さらに車速やステアリングの舵角などから総合的に最適な減衰力を演算してダンパーを制御する。反応遅れも心配なく、ほぼリアルタイムに制御を行っているという。
 
だからこそ、コンフォート、ノーマル、スポーツ、スポーツ+と4つある走行モードのどれを選んでも洗練された乗り味を実現。そのうえで“キャラ変”できるのが電子制御ダンパーならではで、例えば荒れた路面ならコンフォート、ワインディングならスポーツ系、高速道路はパワートレーン含めてすべてが自然なノーマルを選ぶとリラックスして走れる。インディビジュアルでは、AWDやアイサイトの制御も含めて好みのセッティングを組み合わせることが可能となっている。
 
ステーションワゴンらしく、ギアを荷室にどっさり載せて向かったキャンプ場では、焚き火を見ながらウトウト……。と思えば花粉にやられてクシャミが止まらない。
 
そう、もう春なのだ。新年度を期に愛車にレヴォーグを迎えちゃうか!? そんなレヴォーグ、1.8Lも2.4Lも2〜3カ月で納車されるそうな(2023年2月4日時点)。昨今の事情を考えれば、比較的早い納車も魅力である。
 
既納ユーザーにもうれしいニュースが飛び込んでいる。年初の東京オートサロンで発表されたのは、電子制御ダンパー制御プログラムのアップデートサービス「SUBARU Active Damper e-Tune」。レヴォーグのSTIスポーツ系グレード4種が対象で、ダンパーの制御プログラムをアップデートすることで、コンフォートではさらにゆったりした乗り心地に、スポーツ+ではもっとスポーティな走りを実現できるという。
 
これらサービスは2023年春発売予定で、価格(予価)は約4万円(工賃込み/
税別)。より際立つレヴォーグの“キャラ変”。こちらも楽しみである!
  

SUVとは一線を画す「低さ」
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10年ぶりの新エンジン
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●CB18型水平対向エンジン。2010年にデビューしたFB16型から約10年の時を経て完全新規開発。排気量は1.6Lから1.8Lへと拡大されたが、エンジン全長は約40mm短縮。これによりエンジンの重心は約20mmキャビン側に移動、前後重量バランスを改善したのもトピックだ
 
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実用性の高さはさすが
 
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●STIスポーツ系は、おなじみのボルドー×ブラックの本革シートが標準装備。見栄えも質感も高い
 
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●後席リクライニングレバーは、シートの横。使いやすい位置に配置
 
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●ステアリングスイッチ、もしくはセンターディスプレイ内で走行モードを選択可能。ほかの操作系はタッチ式が多いが、エアコンの温度調整は物理スイッチだからストレスフリー
 
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●荷室容量は、フロアボード上で492Lを誇る。開口部も1055mmと広く、さらに段差がないため重い荷物も取り出しやすい。後席背もたれは4:2:4の分割可倒式だから、乗車人数や荷物の大きさに合わせてシートをアレンジできる
 

[バリエーションと価格]
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■レヴォーグ STIスポーツEX(4WD・8速CVT)主要諸元
【寸法・重量】
全長:4755mm
全幅:1795mm
全高:1500mm
ホイールベース:2670mm
トレッド:前1550mm/後1545mm
最低地上高:145mm
車両重量:1580kg
 
【エンジン・性能】
型式:CB18
種類:水平対向4DOHCターボ
総排気量:1795cc
ボア×ストローク:80.6mm×88.0mm
圧縮比:10.4
最高出力:130kW(177ps)/5200〜5600rpm
最大トルク:300Nm(30.6kgm)/1600〜3600rpm
使用燃料・タンク容量:レギュラー・63L
WLTCモード燃費:13.6km/L
最小回転半径:5.5m
乗車定員:5人
 
【諸装置】
サスペンション:前ストラット/後ダブルウイッシュボーン
ブレーキ:前後Vディスク
タイヤ:225/45R18
 
〈文=本誌・柿崎 写真=山内潤也〉

ドライバーWeb編集部

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