2022/12/06 コラム

鬼門すぎる車外騒音規制! スカイラインは対応…生産が止まっているGT-Rは!?

スカイラインはガソリン車が生き残り、HVがラインアップから消えた

■スカイラインHVは車外騒音規制に対応せず

2022年9月22日、日産はスカイラインの3Lターボ車に一部改良を実施した。発売は10月末に開始されている。今回、法規対応を実施したことで、車外騒音規制フェーズ2に適合(車外騒音71デシベル以下、400Rは73デシベル以下の規制値をクリア)させたため、8月末で一旦停止していた生産を再開している。

【画像】新色が追加されたスカイラインほか

なお、3.5Lエンジンを積んだハイブリッド車は車外騒音規制への対応を実施せずに、ラインアップから消えたのはご存知のとおり。高速道路の同一車線でのハンズオフ運転ができるプロパイロット2.0は、スカイラインのハイブリッド車だけに設定されていたため、ついにスカイラインの装備から消えた(電気自動車のアリアには搭載されている)。

販売の約半数を占めていた人気のグレード「400R(出力の405馬力=約400馬力に由来)」は、ボディカラーを変更して販売。スレートグレーがなくなり、2022年モデルのGT-Rで設定されたミッドナイトパープルが加わっている。内装では、シックな装いとプレミアム感を演出する「ブラウンインテリアパッケージ」を新たなオプション(GTグレードを除く)として設定された。

価格は21万5600〜27万3900円アップし、456万9400〜589万9300円。

■GT-Rにものしかかる車外騒音規制

ちなみに、GT-Rは2022年モデルの生産をすべて終え、8月末を最後に国内向けの生産は止まったままである。9月1日以降に生産されるモデルに適用される車外騒音規制フェーズ2に対応していないからだ。現行GT-Rの車外騒音値は76デシベルで、車外騒音規制フェーズ2では(GT-Rが所属するカテゴリーは)74デシベル以下にならないとクリアできない。今後、GT-Rが生産を再開するためには74デシベル以下となるように何らかの対応が必要となる。

日産は、GT-Rの生産終了についてアナウンスはしていない。これだけのビッグネームを持つモデルでは、生産終了について何らかの情報公開をするはずである。したがって、恐らく規制値をクリアした2023年モデルが今後登場するのではないか。事実、10月28日に北米ではGT-Rの2023年モデルが発表されているが…日本仕様は音沙汰がない。

車外騒音規制は今回の次に「フェーズ3」が控えている。乗用車では新型車が2024年、継続生産車は2026年に施行されるが、GT-Rが属するカテゴリーでは72デシベルが次の規制値となる。GT-Rのように登場してから年数が経過しているスポーツカーにとっては、かなり厳しい数値といえる。

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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