2022/12/05 新車

中国BYD製の電気自動車「アット3」、価格は440万円! 補助金込みで300万円代の見込み

SUVタイプだが、現時点で前輪駆動のみ

BYDオートジャパンは12月5日、これからの国内展開や2023年1月に発売する新型BEV「ATTO 3(アットスリー)」の詳細を発表した。2023年1月31日より受注を開始する。

BYDは1995年にバッテリーメーカーとして中国でスタートし、2003年に自動車市場に参入。08年には世界初のPHEVを発表、翌年にはBEVを量産するなど、バッテリーメーカーの強みを生かし早期からクルマの電動化に積極的なメーカーだ。

そのBYDが日本市場に参入すると発表したのが22年7月。そして、日本に投入するBEV第一弾がSUVタイプのアット3だ。今回の発表会ではそのスペックや価格などが明かされた。

【画像】ATTO 3の詳細画像

まずは気になる価格だが、税込みで440万円。納車時期的に(23年3月ごろを予定しているという)今年度のCEV補助金の申請は間に合わないが、来年度も補助金が出れば、試算としては85万円を想定しているという。仮に東京都で購入する場合、都から出る補助金が現在45万円。それと合わせると130万円となり、実質価格は310万円で手に入る。車格を考えるとかなり手ごろだ。

ボディサイズは、全長4455mm、全幅1875mm、全高1615mm。ホイールベースは2720mmだ。モーター出力は150kW、最大トルクは310Nmで、航続距離はWLTC換算で485kmを誇っている。

これに近い国産のライバルは、まずトヨタ/スバルのbZ4Xとソルテラを思い起こすが、こちらは全長が200mm以上長く、なにより価格が約600万円と高い。航続距離は最大で550kmを超えるが、アット3よりもひとクラス上の印象だ。ボディサイズと価格的に近いのがマツダのMX-30 EVだが、航続距離が256kmと短く、アット3の半分ぐらいでしかない。

同じSUVタイプではないものの、価格と航続距離でいうなら日産リーフがいいライバルになる。航続距離が450kmのe+Xなら約420万円。ただし、発売は17年と設計時期が古く、バッテリーの温度調整機能は空冷。対してアット3は水冷だ。また、アット3は最新モデルらしくADASやコネクテッド機能も充実し、V2Lなどにも対応。リーフも同様の機能は持ち合わせているので、バッテリーシステム以外では現状で一番のライバルといえそうだ。

販売網は、まず23年1月下旬より北海道、栃木、千葉、愛知、大阪、沖縄など各15道府県計22の開業準備室を順次オープンし、商談や試乗の案内を行うという。将来的には25年末までに、全国で100店舗を目指しているという。目の肥えたユーザーが多いといわれる日本市場で、BYDが果たして成功するのか。第一弾となるアット3の評判が鍵を握っている。


●登壇したBYDオートジャパン株式会社社長、東福寺 厚樹氏


●ギターの弦や工具のメガネレンチを思わせる意匠がユニークなインテリア


●床下には、安全性の高い新開発の“ブレードバッテリー”が搭載される


〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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