2022/11/14 モータースポーツ

【ラリー・ジャパン 2022】おめでとう! 勝田貴元が地元WRCで3位フィニッシュ! 今季WRC全クラスをフィンランド人ドライバーが制する【デイ4】

●豊田スタジアムでのセレモニアルフィニッシュで、地元の声援に応える勝田貴元


WRC 2022 第13戦

第1回 フォーラム8 ラリー・ジャパン 2022

日時:11月10~13日

サーフェイス:ターマック
SS総走行距離:283.87km(SS数19)
サービスパーク:豊田市


ラリー・ジャパン 2022は11月13日ラリー最終日を迎え、前日トップに立ったティエリー・ヌービル(ヒョンデ)がポジションを守りきり今季2勝目を飾った。総合2位にはヒョンデのチームメイトであるオィット・タナックが入り、トヨタGAZOOレーシング(TGR)の勝田貴元が地元ラリーで見事3位表彰台を飾った。

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●1位のヌービルが勝田に真ん中を譲った表彰台の1シーン。ライバルチームでもクルー同士のリスペクト精神を忘れないのがWRCのいいところだ

サバイバルラリーの様相が、ついに最終日まで続いたラリー・ジャパン2022。最終日は予報通り雨が降り、前日までとは打って変わったウェットコンディションとなった。この日のステージはサービスを挟まず一気に走り切る5本で争われる。

朝のうちは降っていなかった雨は、時間が経つにつれポツポツと路面を濡らし始める。午前の3本のステージこそドライコンディションだったが、午後の2本は完全にウエット路面。最終パワーステージの頃には雨は本降りになっていた。ウェットタイヤを積んでいかなかったクルーは、失速せざるを得ない状況に。ヒョンデの2人はウェットタイヤを積んで行ったのに対し、TGR勢は勝田以外のクルーはドライのみを選択。これが明暗を分ける結果となった。

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●総合優勝のティエリー・ヌービル

「勝利を争っているラリーのなかで最悪の1日だった」とラリー後の会見で語ったヌービル。厳しいトップ争いだったが難しいタイヤ選択が成功し、勝利を得たことで最高の1日になったと最後は笑顔で締めくくった。

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●ヒョンデでのラストラリーを2位で飾ったオィット・タナック

2位のタナックに最後は引き離される形にはなったものの、見事地元開催のWRCで表彰台に立った勝田貴元。計6本のタイヤ選択のなかで、彼だけはTGR勢で唯一ウェットタイヤを1本だけ積んでスタートしていた。「雨の予報だったので、本当は2本積んで行きたかったんです。でもチームの戦略から1本と決まりまして」。その1本のタイヤを右フロントに装着して走った。

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●日本で、地元愛知でその速さを見せてくれた勝田貴元

「1本だけウェットというのは、さすがに今回が初めてでした。アクアプレーニングになるとものスゴく怖いです(笑)。例えるなら、ショッピングカートみたいにクルクル回りそうで。これなら4本ドライの方が予測しやすかったかもしれないですね」。とはいえ、4位のオジエに12秒差まで迫られながらもこの厳しいラリーを一度もストップすることなく、持ち前の安定感を最大限に発揮して得たポディウム。勝田だから得られた、TGR勢の最上位フィニッシュと言えるだろう。最終ステージ後の表彰式では笑顔が弾けた。

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●最終ステージに駆けつけた家族と喜びを分かち合う勝田貴元

ウェットを持っていかなかったTGR勢は、オジエが4位、午前までは優勝争いをしていたエヴァンスは6位、チャンピオンのロバンペラは12位でフィニッシュしている。


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