2022/11/15 カー用品

SWISSVAXへの憧れを仕事に。〜情熱と真摯な姿勢で向き合う〜

2022年6月、福岡県福岡市に西日本初となるスイスバックスの正規施工代理店「Autowäsche(オートヴェッシュ)」がオープンした。出張洗車を含むカーワックスコーティングを専門に扱うカーディテーラーが、数あるコーティングアイテムのなかで世界最高峰のワックスブランド、スイスバックスのみを扱うことにしたのには、強い思い入れと情熱があった。
 
SWISSVAX


キレイなクルマが好きすぎる
 
オートヴェッシュ店長の高良年彦さんとスイスバックスの出会いは17年前。国産カーディーラーの自動車整備士として勤めていた仕事柄、入庫した車両の洗車をする機会も多く、アレンジを加えながら洗車技術を磨いた。当時の愛車だったポルシェもつねにキレイにしていたというから、根底にあるのは“洗車好き”だ。
 
本業の傍らモータースポーツにも積極的に関わり、フォーミュラカーなどのレーシングカーで参戦する根っからのクルマ好きである。
 
その後、輸入車ディーラーに転職。その会社で仕入れられたスイスバックスのワックスに出会う。試してみると、ワックスらしからぬ手触りに衝撃を受け、仕上がりのツヤに驚き、並外れた耐久性にぞっこんになった。
 
憧れを仕事の友にするべく
 
スイスバックスのよさを身をもって知る高良さんが、オートヴェッシュのオープンにあたり、スイスバックスを選んだのは自然な流れだった。
 
ただ、正規施工代理店になるための最初の一歩はかなり無鉄砲だった。
「スイスバックスを使いたいという問い合わせがあったのは、オープン予定日の半月前だったんです」と、スイスバックス日本総代理店代表の松本温賢さんが明かしてくれた。
 
その理由を高良さんに聞くと、「店を構えるにあたり、憧れだったスイスバックスをワックスコーティングに使うことに決めていました。だから相談をしたときはすでにSWISSVAXのロゴを入れた看板を製作していました。ダメでも製品は使おうと思ってたんですけれど(笑)」
 
「最高」ゆえの厳しさ
 
スイスバックスがカーコスメティックシステムと呼ぶ独自のカーケアプログラムは、人にメイクを施すコスメティックサロンのようなトータルケアが求められる。ゆえに正規施工代理店認定へのハードルは高い。
 
「スイスバックスは車両全体で一つの作品になります。基本的に、製品は一般向けに単品販売しているものと同じものを使用するのですが、各アイテムの効能や使用方法、手順を正しく理解し、効果を最大化させることが施工者に求められます。仕上がったクルマを見たお客様に喜んでもらうことがブランドの価値となるのです」と松本さん。
 
世界最高峰ワックスのコーティングプログラムをもって“深いぬれたようなツヤ”を実現するスイスバックス。施工車両の状態を見極め、その車両に合わせた下地処理を含め最高の状態に仕上げていく。さらにボディだけでなく、ヘッドライトやタイヤ&ホイール、モールや未塗装樹脂パーツ、ガラスに至るまで、車両をまるごと美しく仕上げるための知識と技術が必要となる。もちろん内装においても同様だ。ゆえに松本さんは厳しい条件を突きつけた。
 
揺るぎない情熱と熱意
 
「要求されるクオリティの高さは相当のものでした」と高良さんは、扱うアイテム数(何と100以上!)や施工プロセスの多さ、目指すべき知識や技量に、正直のところたじろいだという。しかし、決めたことに向かって心が揺れることはなかった。
 
「すでにスイスバックスの本質的なところは肌身に感じていたようなので、習得するのは早かったです」と松本さん。何よりも情熱と真摯に向き合う姿勢を買っているという。
 
高良さんは自らを追い込み、熱意をもって応えたことが認められ、晴れてスイスバックス正規施工代理店として船出を果たした。
 
「どうせなら日本一になりたいし、世界で活躍するディテーラーになりたい」と今後について胸の内を語る。根底にあるのは若き日のスイスバックスとの出会いにほかならない。仕事ぶりを見ていると、“クルマ好き”であることと“キレイにすること”を本当に楽しんでいるように思える。
 
ワックスにこだわる理由
 
高良さんは、最近主流のガラス系コーティングとは一線を画す点にも着目。それは仕上がりの美しさだけでなく、塗装のコンディションを長く維持できるとの考えからだ。
 
「例えば、上質なレザーシートにいきなり撥水コーティングをするのがガラスコーティング。レザークリームを塗り広げることでしっとりとした風合いを与えながら、革そのものを長持ちさせるのがスイスバックスというようなイメージです。
 
硬質なガラス系樹脂コーティングは、柔らかい塗装面の上をガチガチに固めて撥水効果を発揮させるのですが、“塗装は動く”ということは考慮されていないんです。被膜も年月が経つと劣化します。透明度も落ちて、傷も入っていきます。それを再施工となると、劣化した被膜を剥がすのに強力な酸性溶剤を使用したり、磨き込む必要があります」
 
これらは結果的に塗装面の状態を悪化させることになる。対してスイスバックスのワックスだと、被膜は塗装よりも柔らかく塗装の動きにも追従する。そのうえ天然成分100%なので攻撃性は皆無だ。この被膜をさらに保護する「ロータススピード」という撥水コート剤を塗布することで、ワックスならではのツヤ感を長く維持できるというわけだ。
 
高い期待に応える喜び
 
今回施工していたのは英国製スーパースポーツ、マクラーレン570Sスパイダーのブラックボディ。
 
スイスバックスのカーコスメティックシステムにのっとり、下地処理を行った塗装面への仕上げは正規施工代理店のみが扱える「エンデュランス」。スイスバックスワックスの強みである深いツヤを与えながら、効果は最大2年持つ高耐久仕様だ。
 
オープンからまもないにもかかわらず、これまで30台ほど施工したという。その多くが高級輸入車で、すでにキレイな外観を“よりキレイにしたい”と、依頼の難度は高い。
 
その期待に応えるべく施工された車両と対面したオーナーは、「え〜こんなにキレイになるの!」と、新車時やガラスコーティング施工をしたときとは違う透明感のあるツヤが得られたことに驚くという。さらに、しばらく経った後の汚れにくさや、輝きの持続性などにも驚きの声が届くことが何よりうれしいという。
 
こういった声が聞けるのは、出張洗車を手がけていることも大きい。コミュニケーションが密に取れる土壌や、クルマ好きどうしのつながりがあるからこそ生まれる信頼関係、そして確かな仕上がりを約束するスイスバックスのカーコスメティックシステムを扱える正規施工代理店であることが、オートヴェッシュの最大の強みであることは間違いない。
 

SWISSVAX
スイスバックスジャパン代表の松本温賢さん(左)とオートヴェッシュ店長の高良年彦さん(右)
 

SWISSVAX
レーシングドライバーとしての顔もある高良さん。店内にはレースカーの写真も飾られているが、じつはその車両もスイスバックスで仕上げているという。これは先輩ドライバーの「自分が駆る車両に敬意を持って接するべし」という教えを守り、走行後の車両をキレイな状態で積載車に収めるためだ。そのおかげで周りのどの車両よりも輝いているという満足感が得られ、さらに、汚れにくくなるので洗浄作業の短縮にも効くという。
 
SWISSVAX
最高のツヤのために開発された専用アイテム。洗浄から下地処理、仕上げのワックス、トップコート剤のほか、メタルやゴムモール、タイヤ、ホイール用のケアアイテムをそろえており、オーナーの要望にきめ細かく応える

SWISSVAX


SWISSVAX
今回のマクラーレン570Sへの施工価格は約16万円


SWISSVAX
スイスバックス正規施工代理店
Autowäsche
オートヴェッシュ
 
住所:福岡県福岡市南区皿山2丁目6-38
TEL:092-408-7833
https://autowasche.jpn.com
 
店名はドイツ語で「洗車」の意。スイスバックス正規施工代理店であり、出張洗車もこなす同店は、建築関連の仕事をしていた経験を生かし高良氏自ら店舗内装を仕立てた。オシャレな空間で施工を行うほか、憩いの場として活用できる工夫がされている
 
 
〈文=ドライバーWeb編集部・兒嶋 写真=佐藤正巳〉

■問い合わせ先
スイスバックス日本総代理店 松本羽毛合同会社☎
TEL:0771-24-5868
https://www.swissvax.jp

ドライバーWeb編集部

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