2022/11/14 モータースポーツ

勝田貴元、地元表彰台の勝因は4本中たった「1本」のウェット用タイヤ【ラリージャパン2022】

地元開催のWRCで見事3位表彰台を獲得した勝田貴元選手(写真右)

■タイヤはハード3本、ソフト2本、ウエット1本

コロナ禍で延期が続き、実に3年越しの悲願の開催となったWRC第13戦「RALLY JAPAN」で、我らが日本の、そして地元出身である勝田貴元選手が見事、3位表彰台を射止めた。

難易度の高いコースにリタイア続出、最終日には雨も降り難しいコンディションとなったラリーでの好結果。これにはじつは絶妙なタイヤ選択も効いていた。勝田選手が駆るGRヤリス ラリー1は、最後のパワーステージ(PS)、SS19では何と右フロントだけウェット用、残りはドライ用という変則的なタイヤを装着で臨んでいたのである。

ラリー1は1日に、車両装着の4本に加えてサービスパークを出る際に最大2本のスペアタイヤを足した合計6本のタイヤを使うことができる。天気予報は、昼前から雨。しかもかなりの量になると報じていたが、早朝の時点では雨は降っていなかったから、タイヤチョイスは非常に難しいものになった。

しかもトヨタ勢はエバンス、オジェ、ロバンペラの3人はウエットタイヤを持ち込んでおらず、勝田も登録しているのはハード3本、ソフト2本、そしてウエット1本だった。ウエット「1本」………!?

公開されたその情報を元に、一体どんなタイヤ選択で来るのかとSS19旭高原のコース脇でWRCマシンの走りを見守っていた筆者。ラリー1勢では唯一、ウェットタイヤ4本を選び、見るからに速かったMスポーツのC.ブリーンがぶっちぎりのステージトップタイムを記録するも、2、3位にはラリー2勢が入り、ウェット2本装着のヒュンダイのヌーヴィルは14.9秒差の4位に。一方、ハード5本というギャンブルに出たチャンピオンのロバンペラは見るからにペースが遅く、実際1分58秒4遅れの30位という結果に終わる。

我らが勝田選手は42.2秒遅れの16位。4位で追い上げていたオジェがソフト+ハードの組み合わせにも関わらず31.6秒遅れの7位に入ったものの、それまでにつけていた大差を覆すには至らず、勝田選手の表彰台がここで決まったのだ。

ドライバーWeb編集部

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