2022/10/31 新車

今、間違いなく日本一安全なSUBARU|レガシィ アウトバック|

写真提供:(独)自動車事故対策機構、スバル

SUBARU2年連続★★★★★
JNCAP自動車安全性能ファイブスター大賞受賞
 
LEGACY OUTBACK
LEGACY OUTBACK
レガシィ アウトバック

2030年にスバル車が関係する死亡交通事故ゼロを目標に掲げ、安全性能におけるトップランナーであり続けるべく、理想の姿を追い求め続けてきたスバル。その哲学と技術の集大成であるアウトバックが、JNCAP連覇と日欧NCAP二冠の快挙をもたらした。この価値は本物だ。
 

揺るぎない安全思想
 
快挙である。
自動車の安全性能を評価・公表する2021年度の自動車アセスメント(JNCAP)において、レガシィ アウトバック(以下アウトバック)が総合評価で最高得点をマーク。最高評価「ファイブスター賞」の9車のなかでも、もっとも優れた「ファイブスター大賞」に輝いた。
 
2020年度の同大賞はレヴォーグで、スバルは2年連続の戴冠。JNCAPが現在の総合評価になる以前も、フォレスターやインプレッサ/XVが予防安全性や衝突安全性の評価で最高レベルを獲得している。
 
アウトバックはひと足早く導入された欧州でも、2021年ユーロNCAPで最高評価の「ファイブスター」を獲得。しかも、この“ユーロ”の最新基準で評価を受けた車種でも、アウトバックは最高得点をマークしているのだ。主力市場の北米でも、IIHSやNHTSAの安全試験で最高評価を獲得している。
 
スバルのJNCAP連覇に、アウトバックの日欧NCAP二冠。自動車メーカーの責任として、クルマの安全性能を愚直に追求し続けたゆえの栄冠。そして、このダブル受賞には、スバルが長年にわたって培った揺るぎない安全思想と、“ベスト・オブ・ベスト”に君臨する強さの秘密をかいま見ることができる。
 
まず、JNCAPだ。アウトバックは総合評価の得点率97%(190点満点で185.02点)で、92~93%で続く他車を引き離す。前年度のレヴォーグと同じ構図である。
 
スバルの安全性能といえば、先進運転支援装備(ADAS)の先駆けとなった「アイサイト」をイメージする人が多いだろう。もちろん、アウトバックもレヴォーグに続いて、システムを全面刷新した新世代アイサイトを搭載。事故を未然に防ぐ予防安全性能をさらに高めている。
 
ただ、近年は競合メーカーのクルマも目覚ましい進化を遂げているのは、ご存じのとおり。もはやADASにおいてスバルが優位とは必ずしも言えない状況にある。
 
実際、JNCAP総合評価の内訳を見ても、予防安全性能の得点でアウトバックに肩を並べるファイブスター獲得車は、一台や二台ではない。今やアウトバックを僅差で上まわるクルマも出現している。
 
異なる基準で頂点の価値
 
前年度のレヴォーグ同様、アウトバックの勝因となったのは、もうひとつの衝突安全性能だ。アウトバックの得点率は95%(100点満点で95.07点)。ほかのファイブスター車はすべて80%台で、アウトバックが大きくリードしている。
 
もちろん多岐にわたる技術の積み重ねの賜物だが、アウトバックとレヴォーグがぬきんでた決め手となったのは、歩行者保護エアバッグだ。
 
JNCAP衝突安全性能評価の7項目には、万一の際に乗員を守る衝突試験だけでなく、歩行者と前面衝突してしまった場合の頭部や脚部への保護性能試験も含まれる。2016年のインプレッサ以来、歩行者保護エアバッグを採用する国内メーカーは、まだスバルだけである。
 
いや、そうしたメーカーは世界でもきわめて珍しい。しかも、先鞭をつけたボルボはV40の1車種にとどまったが、スバルは現在6車種に展開している。乗員保護エアバッグと同じく、全車標準装備だ。
 
歩行者保護エアバッグの採用が各メーカーに広がらない理由には、コストや技術的な難しさ(フロントバンパーが歩行者と衝突したときのみ展開させる)などが考えられる。
 
それでもスバルが積極的に採用するのは、国内における交通事故の実情を鑑みてのこと。日本では歩行中や自転車運転中に発生する死亡事故がもっとも多い。
 
一方、欧米の場合、死亡事故はクルマの乗車中に起こる割合が高い。特に速度域の高い欧州では顕著になっている。ひと口に死亡事故といっても、発生状況は国や地域によって異なるのだ。
 
ここで思い出してほしいのが、前述のユーロNCAP。世界をリードする自動車アセスメントであることを知る人は、ユーロNACPで最高得点ならJNCAPでファイブスター大賞も当然、と思うかもしれない。
 
しかし、死亡事故の形態が異なれば、その低減に効果的な安全技術も違ってくる。生半可な開発姿勢や技術力では、少なくとも日本と欧州の双方で最高レベルの安全性能を実現することなど、到底できない。だからこそ、アウトバックの日欧NCAP二冠には価値がある。
 
LEGACY OUTBACK
他車も電動化も見据えて
 
衝突安全性能の基本となるのは、やはりボディだ。スバルが誇る衝突安全ボディは、現在JNCAPより試験条件が厳しいユーロNCAPでも大いに効果を上げている。
 
2025年の衝突安全基準まで見据えて開発されたスバルグローバルプラットフォームに、骨格を理想的な位置で溶接するフルインナーフレーム構造をドッキング。鬼に金棒の組み合わせは、側面衝突の安全性でも威力を発揮する。
 
側突対応でユニークなのは、強度の異なる高張力鋼板を溶接・一体成型したBピラー。大部分はホットプレス材だが、サイドシルと結合する下部だけ非焼き入れ材になっている。ホットプレス材でキャビンの変形を抑えながら、下部では衝突エネルギーをある程度吸収して衝撃をやわらげ、また車両が弾き飛ばされるのを防ぐ狙いだ。
 
クルマどうしの前面衝突に対しては、セカンドロードパスがアウトバックで初採用されている。自車の衝突安全性向上と衝突相手へのダメージ軽減を両立し、コンパティビリティをさらに高める。そして、これは今後の電動化(=車重増)に伴う必要吸収エネルギー量の増加を見越した対策でもあるのだ。
 
JNCAPや世界の自動車アセスメントは衝突安全・予防安全ともに今後も改訂され、性能試験はいっそう過酷に、評価はさらに厳しくなっていく。そして、スバルはそのトップランナーであり続けるべく、「安全」の理想を追求し続ける。
 
スバル車が関係する死亡交通事故を2030年までにゼロにすること。スバルが掲げる途方もない目標も、夢物語ではないのかもしれない。アウトバックで走りの一体感と懐深い安心感に包まれると、ふとそんなふうにも思えてくる。


アウトバックを形成する5つのおもな安全技術

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[0次安全]
視界のよさはスバル車の伝統。グラスエリアを広く取り、ピラーの形状を工夫するなど死角をなるべく減らす工夫がなされる。
 
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[走行安全]
スパルグローバルプラットフォーム(SGP)×フルインナーフレーム構造の採用などにより、ステアリング操作に対する応答性と走りの安定性が向上。総合安全性能とともに走りのレベルアップにも寄与する。全車シンメトリカルAWDだ。

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[予防安全(アイサイト)]
広角化したステレオカメラが前方をつねに監視。その情報と走行状況を基にソフトウェアが必要な制御を判断し、各ユニットを適切に制御。これに前後4つのレーダーを組み合わせることで360度センシングを実現した。以上が「コアテクノロジー」。「アイサイトX」はこれに加え、GPSや準天頂衛星などの情報と3D高精度地図データを組み合わせることで渋滞時ハンズオフアシストなど、より高度な運転支援を行う。
 
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[衝突安全]
歩行者との衝突を検知した際に、ピラーやフロントガラス下部など硬いパーツを覆うように展開。歩行者への衝撃を緩和する歩行者保護エアバッグは全車標準装備。
 
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[つながる安全]
コネクティッドサービスの「スターリンク」。エアバッグが展開するような衝突事故発生時には自動でコールセンターにつながるヘルプネットやセキュリティアラートにも対応。
 
 

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★国内スバル初★
[リヤビューカメラウォッシャー]
レンズに付いた汚れや水滴を、カメラの直上に配した専用ノズルからの水流で洗浄し視界を確保する。リヤワイパーウォッシャーにつながるホースを分岐させてウォッシャー液を供給することで、専用のポンプとタンクを不要とした。


どこへでもどこまでも
日欧NCAP二冠の余裕
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センターピラーで側突時の変形を抑える

ボディ構造の最適化とともに、従来型より高張力鋼板(980MPa以上)の比率を高めて衝突性能を強化。現行型レヴォーグ比でも、同鋼板の比率は前者の9%に対して10.4%とし、車高や重量増に合わせ最適化を図った。また、センター(B)ピラーに上下で変形モードが異なるテーラード・ウェルド・ブランクを採用することで、側突入力時の侵入量を従来型より抑えられた。
 
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写真提供:(独)自動車事故対策機構
 

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相手側のダメージも軽減する
 
従来の固定フレームの下に衝突時の衝撃を分散させる、ロアビームとサブフレームを組み合わせた「セカンドロードパス」を追加。自車の衝突安全性を高めるとともに、より効果的に衝突相手側のダメージの軽減が可能となった。今後の電動化(吸収エネルギー量の増加)を見据えた、ゆとりある衝突性能を確保する。

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★国内スバル初★
MPDB(Mobile Progressive Deformable Barrier)って?
 
欧州・豪州では2020年から実施されている新衝突試験を現行型アウトバックから導入。従来の衝突試験は、堅ろうな壁にフルラップ、スモールラップで衝突して車両のダメージから自車の乗員保護(セルフプロテクション)の観点で評価していた。これに対し、MPDB
は異なる大きさのクルマが行き交う、よりリアルな交通環境下での衝突事故を考慮。自車だけでなく相手側の乗員も保護する考え方(コンパティビリティ)を新たな評価基準としている。

試験車両とバリアを付けた台車を双方50km/hの50%オーバーラップで衝突させ、バリアと自車の損傷具合から「衝突時の重量」、「構造」、「硬さ」の3つの互換性を考えて評価するものだ。
 
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★国内スバル初★
ポストコリジョンブレーキコントロール
 
衝突の衝撃でドライバーが一瞬操作不能に陥ったとしても、自動でブレーキをかけて5㎞/h以下に減速。ドライバーが運転操作に復帰したときに、多重衝突などの2次被害(対向車・障害物への衝突)の回避をサポートして被害の軽減を図る。起きてしまった事故の被害を最小限にとどめる機構だ。


 
■リミテッド EX [ ]内はXブレイク EX(4WD・8速CVT)主要諸元
【寸法mm・重量kg】
全長×全幅×全高:4870×1875×1675[1670]
ホイールベース:2745
トレッド:前1570/後1600
最低地上高:213
車両重量:1690[1680]
乗車定員:5人
 
【エンジン・性能】
型式:CB18
種類:水平対向4DOHCターボ
総排気量:1795cc
ボア×ストローク:80.6mm×88.0mm
圧縮比:10.4
最高出力:130kW(177ps)/5200〜5600rpm
最大トルク:300Nm(30.6kgm)/1600〜3600rpm
使用燃料・タンク容量:レギュラー・63L
WLTCモード燃費:13.0km/L
最小回転半径:5.5m
 
【諸装置】
サスペンション:前ストラット/後ダブルウイッシュボーン
ブレーキ:前後Vディスク
タイヤ:225/60R18

価格:429万円[414万7000円]
 
 
 
〈文=戸田治宏 写真=山内潤也/スバル〉

SUBARU
https://www.subaru.jp

ドライバーWeb編集部

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