2022/09/11 イベント

【スターキャンプ 2022 in 朝霧高原】コロナ禍を乗り越え3年ぶりに開催

9月3〜4日で開催されたスターキャンプ

「スタキャン」の愛称で親しまれるスターキャンプが帰ってきた! 第1回はRVブーム真っ只なかの1991(平成3)年。同年にブームをけん引するパジェロが2代目にフルモデルチェンジ(4ドアロングのミッドルーフが飛ぶように売れて社会現象になった)、RVRや2代目シャリオもデビューするなど、RVのラインアップを拡充するなかで、ハード=クルマを提供だけでなく、RVならではの楽しみ方やアイデア、ライフスタイルを提案したい…との想いから三菱自動車が始めたのがスターキャンプだ。

毎回約1000組の参加者を集める日本最大級のキャンプイベントに発展。1997年から10年のブランクを経て20007年に復活。標高830mの静岡県朝霧高原をメインに、宮城県の吹上高原や滋賀県のマキノ高原など各地で開催。



2019年以降は新型コロナウイルス感染症の影響で2年続けて中止に。ワクチン接種が一巡し、アフターコロナの感染症予防対策が浸透したことから、3年ぶりにスターキャンプが復活した。7月のアタマに申し込みがスタートし、抽選結果は8月初旬に発表。参加費は1組7000円で、300組の応募組数に対し1500を超える応募があったという。

スターキャンプ、略して「スタキャン」の愛称で親しまれる老舗のイベントが中止している間に、オートキャンプを取り巻く状況は一変。コロナ禍で密集・密接・密閉の3密を回避できる新しい旅のスタイルとしてキャンプやアウトドアライフが一大ブームになるなか、スタキャンはアウトランダーPHEVやデリカD:5、エクリプス クロスといったアウトドアと親和性の高い三菱車を訴求する絶好のチャンスになった。



会場は静岡県富士宮市の「ふもとっぱら」。音楽フェスやアウトドアイベントも開催される全面フリーサイトの大規模キャンプ場だ。コロナ前のスタキャンの定員は1000組だったが、感染症予防のために1000人・300組(1組につきクルマ1台まで)に絞られた。

広大なふもとっぱらを貸し切り、モノづくりやアウトドア料理のワークショップ、隣接する富士ヶ嶺オフロードに場所を移し、三菱SUVの優れた悪路走破性をプロドライバーの運転で体験できる「ドッキドキ!SUV試乗会」、エクリプス クロスPHEVの給電機能を生かしたカフェ(かき氷を販売)など、多彩なプログラムが用意され、三菱車ならではの「ソト遊び」を堪能した。

■スタキャンへの往復でデリカD:5の走りを堪能!



デビューは2007年と超ロングセラーのデリカD:5だが、2019年のビッグマイナーチェンジでパワートレーンを刷新。SUVに匹敵する悪路走破性を備えた3列シートのミニバンは唯一無二の存在で、熟成極まったデリカD:5の魅力を、ふもとっぱらまでの往復で再確認した。



試乗車はドアミラーやアウタードアハンドルがメッキ仕立てで、乗降性を高める電動サイドステップが標準のP・8人乗り。グリル、クリアランスランプガーニッシュ、フォグランプガーニッシュをブラックアウトした「ブラックアウトパッケージB」、ブラックのエンジフードエンブレム、大型のテールゲートスポイラーをセットにした「エクステリアパッケージD」、マッドフラップ、レイズのアルミホイールなど純正アクセサリーでドレスアップを施している。



筆者の自宅がある横浜北西部からふもとっぱらまでは、あえて高速を使わずに下道オンリーで。津久井道、町田街道、甲州街道を経て、大月からは国道139号線で富嶽の麓を目指す。江戸五街道の風情が残る甲州街道(国道20号)はアップダウンが多く、ブラインドコーナーも点在する走り応えのある道だ。ドライブモードは燃費を優先して2WDのままだが、低回転からビッグトルクを発揮する2.2Lクリーンディーゼルターボエンジンと、変速レスポンスのいい8速スポーツモードATのおかげで発進や登坂が極めてスムーズ。ストロークの豊かなサスペンションは大型トラックの往来で痛めつけられた荒れた路面でも乗り心地がよく、狙い通りのコーナリングフォームを描けるパワステの操舵感も好印象だ。

復路は高速を利用したが、全車速の追従クルーズコントロールや自動ブレーキなどのADAS(先進運転支援システム)が安全運転をサポート。願わくば次の改良でステアリング支援を追加して欲しいところだが、それでも渋滞疲れを感じずに帰宅できた。

■富士ヶ嶺オフロードコースで本領発揮



デイリーユースでは3列シートミニバンに求められる使い勝手のよさや快適性、経済性を発揮。しかしデリカD:5が本領を発揮するのはミニバンや乗用車派生のSUVが足を踏み入れられないオフロード。ふもとっぱらから数キロ離れた「富士ヶ嶺オフロード」は、スタキャンの人気プログラム「ドッキドキ!SUVオフロード試乗会」にも使われるコースだ。

サイドステップレス仕様のデリカD:5でモーグルコース、土のバケツ、林間コースの順に走行する。走行モードを4WDロックに固定し、ゆるゆるとモーグルコースに足を踏み入れると、助手席側のフロントタイヤが浮き上がる。3輪のみで接地している不安定な状態で、ボディに相当なストレスが掛かっているはずだが、リブボーンフレームで囲われた堅牢ボディはミシリとも言わない。

4WDロックにすると4WDオートより高めに後輪へ駆動力が配分されるので、軽い空転を伴いながらもアッサリと脱出できた。こんな芸当がこなせるのもアプローチ/ランプブレークオーバー/ディパーチャーの各アングルがたっぷり確保されているデリカD:5ならでは。普通のミニバンで同じことをやったら間違いなく腹下を擦って、バンパーがもてげしまうだろう。



続いて急な下り坂と滑りやすい上り坂が連続する林間コース。同乗のインストラクターによると、滑り出したらブレーキペダルをほんの少し離してタイヤのグリップ力を回復させるのが安全にクリアするコツとのこと。一般道に例えると、凍結した路面が一部溶け始めた雪道に近いそうで、滑ったままブレーキを掛けているとタイヤがロックして舵も効かない状態に陥り、コントロール不能になってしまう。こうしたドライバーに不安を抱かせる場面でもASC(アクティブスタビリティコントロール)やEBD付きのABSが的確に作動し、あっけなくクリアできる。いつも以上にデリカD:5が頼もしく感じられた。

■スタキャンに参加した三菱車ユーザーに直撃インタビュー

「3列目に棚を自作してキャンプ道具を収めています」

瀬谷さんファミリーとデリカD:5

スタキャン初参加の瀬谷さんファミリー。愛車は6年乗っているデリカD:5で、カスタムはブリヂストンのデューラーA/Tにレイズのチームデイトナを組み合わせて、マッドフラップとマフラーカッターを装着。「じつは一度落選したものの、キャンセルで繰り上げ当選しました」と喜びの表情。デリカD:5を購入した理由はウインタースポーツを楽しむため。「雪道に強いミニバンということで、デリカ一択でした」。



サードシートは格納したまま、イレクターパイプで組んだ自作の棚で荷室を上限段に仕切っている。下段には重たいテーブルやタープを積んで、上段にランプやキッチン関係の小物を収めたストレージボックスを載せている。「本当はこの棚を延長して車中泊仕様にするつもりでしたが、コロナ禍で計画を変更してテント泊にしました」とのこと。確かに、駐車場での車中泊は周囲の目が気になるし肩身が狭いが、キャンプ場なら安心して宿泊できる。

「ファイナルモデルでカーゴトレーラーをけん引」

佐島さんファミリーとパジェロ

初代、2代目、ファイナルの歴代モデルを乗り継いできた生粋のパジェロファン。親、子、孫の灯織さん、帆華さんの3世代でキャンプを楽しんでいて、スタキャンに参加するのは2回目。日本仕様のパジェロが2019年8月に生産終了になるのを知り、ずっと乗り続けるつもりでファイナルモデルを手に入れた。



車内に積みきれない荷物はカーゴトレーラーに。6人乗車になるので荷室スペースはほとんどなく、ルーフキャリアとカーゴトレーラーにキャンプ道具を分散させて積んでいる。けん引免許は要らないが、全長が短いトレーラーは挙動変化が大きく、特にバックでの車庫入れにコツが要る。勤務先の広い駐車場で練習を重ねてようやく慣れてきた。パジェロは3.2Lディーゼルターボだからトルクが太く、高速でも楽にクルーズできる。

「先代PHEVを2台乗り継いだ」

KさんファミリーとアウトランダーPHEV

「PHEVは車内の前後にAC100Vのコンセントが備わり、最大1500Wの電気を取り出せるのでスマホの充電や、屋外で電気ケトルやホットプレートといった調理家電を使うのに重宝しています」というKさんファミリー。

じつはこのアウトランダーPHEVは2台目で、1台目はマイナーチェンジ前の2Lガソリンエンジンにツインモーターを組み合わせたモデル。2018年の一部改良でエンジンの排気量が2.4Lになり、バッテリーや駆動用モーターの出力も高められるなどシステムが大幅刷新されたのを機に乗り換えた。「2Lは高速の追い越しや加速が不満でしたが、2.4Lになってストレスを感じずにドライブできます」。PHEVの利点はいざとなればエンジンのみで走れること。給油回数が大幅に減り近所のショッピングモールに行けば無料で充電できるので懐にも優しい。

■特務機関NERV 防災訓練デモ



防災アプリを運営する特務機関NERVが、災害対策車両(アウトランダーPHEV/エクリプス クロスPHEV)を使った防災訓練デモを実施。災害時に避難所の情報を準天頂衛星システム「みちびき」経由で管制局に送信し、収集する手段として利用できる衛星安否確認サービス「Q-ANPI」の運用に必要な電気をPHEVのバッテリーから供給。余った電気はスマホの充電に利用する。

■エクリプス クロスPHEVカフェ



エクリプス クロスPHEVの給電機能を活用したスタキャン限定のカフェで、静岡県三島市の三嶋大社の近くにあるお茶屋さん「山田園」がオリジナルのかき氷を提供。ふんわりした氷に三島産「紅ほっぺ」のイチゴシロップが絡まり、清涼感と甘酸っぱさが味わえる。

■PHEV FUTURE PARK in Star Camp



eKクロスEV、アウトランダーPHEV、エクリプス クロスPHEVなど話題のBEV、PHEVをじっくりチェックできる。

■4WD登坂キット同乗体験会



最大傾斜45度の急坂登坂やキャンバー走行、モーグル走行を行う特設コースで、三菱SUVの優れた走行性と安全性をプロドライバーの運転で体験。

■アウトランダーPHEVシアター



アウトランダーPHEVの給電機能を活用した野外シアター。夕闇に浮かび上がる幻想的な山々をバックに、芝生の上で映画鑑賞を楽しんだ。

■トーヨータイヤブース



三菱のSUVと相性抜群のワイルドなトレッドパターンが特徴的な「オープンカントリーシリーズ」や、最新のオールテレインタイヤを装着したデモカーを展示。的当てゲームに参加するとオリジナルグッズをゲットできる。

<文=湯目由明 写真=岡 拓>

ドライバーWeb編集部

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