2022/07/25 コラム

中国BYDが「3台のBEV」を日本の乗用車市場に導入…全国に100店舗の販売ネットワークを整備する計画も

3台のBEVと、左の人物はビーワイディージャパン株式会社 代表取締役 劉 学亮氏、右はビーワイディーオートジャパン株式会社 代表取締役 東福寺厚樹氏



■まずはCセグメントSUVから

今回、日本市場に導入予定であることがアナウンスされた電気自動車は、ミドルサイズe-SUVの「ATTO 3(アットスリー)」と、e-コンパクトの「DOLPHIN(ドルフィン)」、そしてハイエンドe-セダンの「SEAL(シール)」の3モデル。このうちアット3は、2023年1月に発売予定で、ドルフィンは2023年中頃、シールは2023年下半期の発売が予定されている。

アット3は、全長4455㎜×全幅1875㎜×全高1615㎜、ホイールベース2720㎜の、BEV専用プラットフォーム「e-プラットフォーム3.0」を採用したCセグメントの前輪駆動モデルで、電気モーターは150kW(204ps)/310Nmを発揮。フロア下にはBYDが独自開発したリン酸鉄リチウムイオンバッテリーである「ブレードバッテリー(刀のようなバー状の電池)」を58.56kWh搭載し、WLTCモードで485㎞の航続距離を実現している。

5人乗車と、通常時で440Lのラゲッジ容量を実現したアット3は、中国市場では2022年2月に発売され、すでにシンガポールやオーストラリアなどで好評を博している。手ごろなサイズは日本市場にもフィットしそうだ。

ドルフィンは、その車名の通り内外装にイルカをイメージさせるデザインを採用した個性的なコンパクトハッチバック。全長4290㎜×全幅1770㎜×全高1550㎜、ホイールベース2700㎜のBセグメントの前輪駆動モデルで、乗車定員は5人となっている。

スタンダードとハイグレードの2タイプがあり、スタンダードは電気モーターの出力が70kW(95PS)、バッテリー容量は44.9kWhで、航続距離は386kmとなっている。一方ハイグレードは、150kW(204ps)を発揮する電気モーターを搭載し、バッテリーは58.56kWhと大きく、航続距離は471㎞を実現。クラストップレベルの航続距離は、注目を集めそうだ。

シールは、2022年5月にデビューしたばかりのBYDの最新作。英語で「アザラシ」を意味する車名からもわかるように、ドルフィンと同様に海からインスピレーションを受けたデザインをまとった、個性的な上級セダンとなっている。

全長4800㎜×全幅1875㎜×全高1460㎜、ホイールベース2920㎜と大柄なボディの5人乗りセダンは、スタンダードとハイグレードの2タイプが用意される。スタンダードは230kW(312ps)の電気モーターをリヤに搭載した後輪駆動モデルで、ハイグレードは230kWのリヤモーターに加えて、フロントに160kW(217ps)の電気モーターを積んだ4WDモデルとなっている。バッテリー容量は、どちらも82.56kWhで、航続距離はWLTPモードで555㎞を実現した。

BYDは、中国市場ではPHEVも販売しているが、日本市場にはBEVのみを導入する予定。2025年を目処に、日本全国に100店舗の販売ネットワークを整備する計画である。まだ車両価格や具体的なサービス体制など未定の部分も多いが、日本のEV市場で存在感を発揮することができるのか、要注目である。

〈文=竹花寿実 写真=佐藤正巳〉

ドライバーWeb編集部

TAG

RELATED

RANKING