2022/07/22 コラム

クルマの解体屋は中古部品の生産所…「品質に問題がある」は過去の話!?

今やネットでも中古部品が検索できる



■新しい車種は安くないことも!?

リサイクル法以前の1980年代から九州を中心に、中古部品の在庫を共有しあう解体屋さんのネットワークは存在した。このネットワークは全国規模に発展したが、筆者の感覚だと2000年前後までは複数の解体屋さんの情報をファクシミリを使って紙でやり取りしていたから効率的とは呼べなかったようだ。それが2000年代に入ると常時接続のインターネットとパソコンを使って中古部品の電子化、データベース共有数量が一気に増えた。それまでは地元の板金、修理業者のための廃車処理だったのが、全国的に需要が見込まれる部品を取り外す生産という作業が工程に加わった。ネットワーク会社も群雄割拠した時代があったが、吸収合併のあとは、全国どの解体屋さんも中古部品の品質管理レベルがほぼ同様なので安心して購入できる。

では、新品より安い中古部品は品質が劣るのかというと…もともと買うのが板金、修理屋さんらプロなので保証付きの部品がほとんどだ。プロを裏切るような部品を生産することは、全国十数件ほどだが解体屋さんを取材してきた筆者は考えられないと断言できる。今回買ったドア内部の部品なら交換後は見えなくなるので、あとは正常動作すればまったく問題ない。

しかしボンネットやドア、バンパーなど外装部品は色の名称が同じでも、変色具合が微妙に違ったりするのでポン付け(そのまま交換)する場合は慎重に選びたい。ちなみに外装部品など大型パーツは個人宅への配送は不可。交換を依頼する板金、修理屋さんなど事業者を通すしかないし、逆に中古部品の利用を提案することもできる。任意保険の会社によっては、リサイクル部品と称する中古部品を使う特約もあるから、保険料金の節約にもなる。

部品の有無をネットで探すこともできるのが今の時代のメリットだ。専用ホームページ上で車検証を片手にアクセスし、部品検索だけならメーカー、車名、型式、タイプと選ぶと中古部品の写真と価格を見ることができる。もし10年前後経た古いクルマなら、内装外装・電気部品を問わずほとんど新品の半額以下で購入できる可能性が高い。だが現行車やミニバンなど一部人気車種の中古部品は日本全国どこの板金、修理屋さんも求めてるいるので入手困難、買えてもあまり安くないこともある。また、意外な人気部品のひとつとして、フロントガラスを求める人は少なくない。石が当たった小さなヒビ割れでも車検は通らないけど新品は高いし、社外新品で安いガラスは変色のおそれがあるので、状態がよければ新品より確実に安い中古の純正ガラスを求めるからだ。

専用ホームページ
http://www.recojapan.com/


●一部の解体屋さんはオルタネーターやクーラーコンプレッサーの性能をテストする機器を備えている。テスト結果が数値で出るので買うときも安心だ


●抱えられる程度の小さな箱に納まるなら個人宅に送ることができるが、エンジンやミッションなど重量物、大きな外装部品などは運送会社が事業者宛しか扱わないのが昨今の物流事情

ドライバーWeb編集部

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