2022/06/21 カー用品

【360度撮影の可能性をカタチに】死角のない映像記録に挑戦するカーメイト「ダクション360」の最新モデルが目指したもの

万が一の事故やトラブルで“そのとき”の目となり記録するドライブレコーダー。全方位での安心感を求める人に向けてカーメイトが提案するのが、「ARF」のキャッチコピーを掲げて登場した前後+360度を撮影する3カメラ式だ。誰もが使いこなせる操作性の追求や、こだわりの360度カメラを軸に構成するその狙いとは?



カーメイトがドライブレコーダー市場に参入したのは2017年のこと。第1弾となる製品は市販向け初となる超広角レンズで全天周360度を記録する「ダクション360(DC3000)」だ。続いて18年に投入した「ダクション360S(DC5000)」は、360度レンズ2つを本体に背中合わせに搭載して全天球360度の撮影を実現。

いずれもバッテリーオプションの装着により、車外に持ち出してアクションカメラとして使え、スマートフォンとWi-Fi接続して記録映像の確認や各種設定ができるユニークなもの。

Carmate
カーメイト代表取締役 兼 社長執行役員 徳田 勝さん

「目指したのはアクションカメラのようなハイクオリティな画質です。ドライブはアクションのなかのひとつであると捉え、『ダクション=d’Action』と名付けました。ドライブレコーダーとアクションカメラを融合した製品としてさまざまなシーンで楽しく使えることをコンセプトに開発しました」
と、ダクション360の立ち上げに深く関わった、徳田 勝代表取締役兼社長執行役員が開発の経緯を説明してくれた。

強みを生かした3カメラ式の解

独自性の強い製品展開から一転、21年10月に発売した最新モデル「ダクション360D(DC4000R)」は、アクションカメラ機能を省き、ドライブレコーダー機能に特化する。

「これまで訴求してきたアクションモードを外したのは苦渋の決断でした。ただ、ドライブレコーダーに特化することで弊社が培ってきた360度の記録や画質へのこだわりを十分に発揮できる製品になりました」

そこには、初めて360度モデルを検討する人にも、カーメイトがこだわる高画質性能を実感してもらいたいとの思いも込められた。
 
「ARF」は全方位録画で安心

最新モデルは「ARF」のキャッチコピーで製品特徴をアピールする。その意味はA=アラウンド(360度)、R=リヤ(後方)、F=フロント(前方)を網羅するドライブレコーダーということ。360度+リヤ+フロントの3カメラ式である。

万が一のトラブルの際に活用できるように、前方を記録するフロントカメラと後方を記録するリヤカメラを個別に設定。車内や窓越しの車外の様子を記録する全天周360度カメラを切り離すことで、それぞれの役割を明確化しながら全周囲を明るく鮮明に記録する方式を採用した。

「暗い車内をしっかりと記録したいという声を多くいただいておりました。そこで360度カメラは赤外線カットフィルターを外し、赤外線LEDの照射で暗い車内の様子も明るく記録できるようにしました。

また、フロントカメラは一般的なドライブレコーダーよりも画角が狭いレンズを採用し、10m離れた前車の中板のナンバープレートの大きな文字が読み取れ、記録できるようにチューニングしています。加えてF値1.5の明るいレンズと、夜間などでも鮮明な映像を記録できるオンセミCMOSイメージセンサーを採用し、WDRとHDRの画像補正技術も用いて高画質性能を追求しました。

われわれはつねにさまざまな録画環境を考慮したうえで、高い映像クオリティを目指して開発しています。これは実際に映像を見ていただければ実感していただけると思います。

ちなみにフロントカメラの画角を狭められたのは、360度カメラが前方の広いエリアを撮影できるからです。本体に収まる2つのカメラは独立した制御が可能となるため、それぞれで最適な画質設定を施せるという点でもメリットがありました」

これはDC3000において、お客様の声でいただいた前方のナンバープレートの数字が読み取れない点を改善するために考案された構成がベースになったという。ナンバープレートの読み取り性の向上策は、超広角レンズを車両前方に向けて配置し、解像度の高い中心付近で捉えた映像を360度映像とは別に保存するデュアルレック技術を搭載した2カメラ式のDC5000が先行採用している。

「後方映像の記録については、あおり運転対策としてニーズが高まっておりますので、車両後方に設置できる別体式のカメラとしました。適正な画角が得られる明るいレンズや、夜間に強くプライバシーガラスにも対応したソニー製CMOSイメージセンサーSTARVISを採用しています」

“撮れない”を防ぐ

こだわりは映像品質だけにとどまらない。映像をきちんと記録することがドライブレコーダーの本分である。そこで電源や通信不良を防ぐための方策を発案。DC4000Rでは本体およびリヤカメラのケーブル接続部に接触不良を防ぐための外れ防止機構を採用。

万一接続不良が起こった場合には、液晶画面と音声で具体的に警告(いずれも特許出願済み)。マイクロSDカードの書き込み不良警告表示もする。

使いやすさをカタチで表す

本体のデザイン性についてもカーメイトならではのこだわりを見せる。

Carmate
カーメイト ダクション360グループ チーフプランナー 清水 麻里子さん

「本体はマットブラック基調で、360度カメラを搭載していることを強調するため外周半分を光沢塗装として視線の移動を促すデザインとしています。全体的にラウンド形状としているのは装着した際の存在感を和らげる効果と、親しみを持ってもらいたいという思いからです。質感の異なるブラックカラーとすることで先進性や安心感を演出しています」
とは、デザイン開発に携わった清水麻里子さん。

シルエットはどことなくデジタルカメラにも似ている。2.7インチ液晶に表示される設定画面の項目も含め、ターゲット層の40〜60代への親和性を図ってのことだという。

「操作性やGUI(グラフィックユーザーインターフェイス)でこだわったのは4つの操作ボタンを搭載したことです。さらに液晶画面右側にボタンに割り当てた内容をアイコンで表示しています。設定項目には現在の設定値を表示することで、操作の煩雑さを軽減し、初めて利用した方が取扱説明書を見なくても扱えるよう配慮しています」

実際に使ってみると、なるほど納得、扱いやすい。どんなシーンでも明るくキレイに記録される映像も含め、DC4000Rのトラブルに備えるドライブレコーダーとしてのポテンシャルは相当高く、安心して使える製品であることは間違いない。

■ダクション360 ブランドサイト
https://daction.carmate.jp


Carmate d’Action 360 D
Carmate d’Action 360 D
Carmate
d’Action 360D
(DC4000R)
価格:オープン(編集部調べ実勢価格:6万2480円前後)


Carmate d’Action 360 D
●本体下面にあるのは360度カメラ。2.7インチの大画面液晶を搭載し、その場で記録映像の確認も可能。側面に配される4つの大きめのボタンも押しやすい。メニュー画面もわかりやすく親切な設計

Carmate d’Action360D
●電源やリヤカメラとの接続不良を防止する機構を採用。万が一接続異常が起こった場合でもその箇所を特定して液晶画面で警告するので対処しやすい

Carmate d’Action 360 D
●各種設定などを行うメニュー画面はわかりやすく表示。現時点での設定値も一目瞭然だ。右側には4つのボタンに割り当てた操作アイコンを表示する


3つのカメラで全方位をカバー。明るく文字もクリアに見える

Carmate d’Action360D 
日中:フロント

Carmate d’Action360D
日中:リヤ

Carmate d’Action360D
日中:車内
 
Carmate d’Action360D
夜間:フロント

Carmate d’Action360D
夜間:リヤ

Carmate d’Action360D
夜間:車内
 

Carmate d’Action360D
〈文=ドライバーWeb編集部・兒嶋 写真=山内潤也/編集部〉

■問い合わせ先
カーメイト
TEL:03-5926-1212
https://www.carmate.co.jp

ドライバーWeb編集部

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