2022/06/16 コラム

「ハエ」が写っちゃったカタログをゲット!? 日本最大級のクルマ「カタログ交歓会」に潜入

ACC・JAPANの会員は全国に約300人

トヨタが紙カタログを廃止し、WEBでのデジタルカタログなどに移行する方針が報道されるなど、新車販売において欠かすことのできなかった紙カタログの存続が危ぶまれている。そんなさなか、編集部イチのカタログ好きである吉川が「カタログ交歓会」なる秘密の(!?)会合に招かれた…。

■継続は力なり、数は力なり

2022年5月1日、日本最大級のカタログコレクタークラブ「ACC・JAPAN(オートモービル・カタログ・コレクターズクラブ・イン・ジャパン)」は横浜市中区のかながわ労働プラザで「カタログ交歓会」を開催した。

今回のテーマは「こだわりカタログをパネルで紹介」。数多く展示されていたパネルでは、本来とは異なる部品が装着されてしまった“間違い”カタログや、販売ディーラーごとに表紙が微妙に異なるカタログシリーズといったこだわりのカタログを紹介。模造紙8枚分の大作「江戸から現代までの日本の自動車メーカー変遷史」も見どころだった。

ACC・JAPANは、1989年に設立。会員は全国に300人ほどいて、年に数回開催される交歓会にカタログを持ち寄り、カタログ談義に花を咲かせている。会員のなかには、2万冊を所有しているメンバーもいたり、保管場所を確保するためにアパートを借りている人もいるという。

会長の清水辰也さんは「クラブの理念は、“継続は力なり、数は力なり”です。小さなことが集まって、初めて大きなことができるということです。それぞれに得意分野を持ついろいろな会員が集まって、いろいろと教えてくれます。モットーは“コレクターからコネクターへ”です。カタログ集めは趣味ですが、日の当たるところにカタログを引っ張り出して、みんなで楽しみたいですね」と語る。

カタログはディーラーで一部販売していたものもあるが、基本的には無償で配布。美しい写真やモデルの詳細解説、諸元表などがあり、時代・風俗を感じさせつつ、資料性が高い内容でまとめられている。基本的には購入を検討している人を対象に発行されているから、「カタログは“お見合い写真”のようなものです(清水会長)」とのこと。カタログの善し悪しで、購入を左右することもあるので、メーカーは力を入れるわけである。(最近はトヨタが脱カタログに舵を切ったと報道されているが…)

クラブの課題は少子高齢化で、せっかく長年にわたって集めたカタログが、死後にゴミとして捨てられてしまうケースがあり、いかに次の世代に伝承していくかが大切になってくるという。

ドライバーWeb編集部

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