2022/06/01 コラム

駐車違反で出頭したら明らかに損!なのに…富山の巡査が家族を身代わりに出頭させた、なぜ?

駐車違反での出頭は損=意外に知られていない?

■なぜ身代わり出頭?

「富山県警の巡査 駐車違反で家族が身代わり出頭」と2022年5月16日、北日本放送が報じた。「駐車違反で家族身代わり出頭させた巡査を減給1ヶ月懲戒処分」と翌17日、NHKも報じた。まとめると、以下のような展開だ。

≪ 今年2月、富山県警の本部勤務の巡査が、知人宅前の路上に違法駐車をし、駐禁取り締まりの黄色いステッカー(確認標章)を取り付けられた。巡査は家族とともに警察署へ出頭。違反しましたと家族が名乗り出た。しかし説明に不審な点があり、署の警察官が追及。巡査の身代わりになったと発覚した。巡査は県警に対し「違反が発覚すれば、希望していた仕事ができなくなると思い、身代わりを依頼した」と認めた。県警は巡査を4月28日付けで減給1カ月の懲戒処分とした――≫

どうも妙な気がする。確認標章には「違反者は警察へ出頭せよ」とは一切書かれていない。わざわざ出頭しなくてもいいのである。

出頭せずにいれば、違反車両の持ち主(報道からは巡査本人らしい)のもとへ「放置違反金」(以下、違反金)の納付書が郵送される。違反金の納付があれば、その違反の処理は終わる。誰にも違反切符は切られない。違反点数は登録されず、ゴールド免許の違反者はゴールド免許のままでいられる。持ち主=違反者本人であってもだ。

出頭したらどうなるか。違反者本人が「自分が違反しました」と出頭してくれば、警察は違反切符を切り、反則金(違反金と同額)の納付書を渡すことになる。違反点数が登録され、ゴールド免許はアウト。出頭したら明らかに損だ。

なのに、巡査はなぜ家族に、違反者として名乗り出ることを依頼したのか。とりあえず2つの理由が考えられる。

【理由1: 無知ゆえに】
確認標章がどんなものかまったく知らず「なんか貼られた。違反切符を切られる。警察官としてまずい」と思い込んでしまい、家族に身代わりを頼んだのか。あるいは、家族のほうが身代わりを申し出た?

【理由2: 納付命令は汚点】
違反金の納付は県の公安委員会の納付命令を受けて行う形だ。違反車両の持ち主である巡査は、納付命令を受けることが何らかの汚点になると思った?

2つの理由のどっちだろう。NHKの報道によれば、家族が出頭したとき巡査もいっしょだったという。どうもなんだか妙な感じがする。無知ゆえの出頭だったのかなあ。

ドライバーWeb編集部

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