2022/05/11 コラム

千葉の「移動式(可搬式)オービス」が高性能すぎる!? 都道府県別整備台数と取り締まり件数の最新データを入手

日本に配備されている移動式(可搬式)オービスの例。左はスウェーデン、センシスの「MSSS」、右は日本の東京航空計器「LSM-300」※警察庁のWebサイトより

「可搬式速度違反自動取締装置の運用状況(令和3年中)」と「可搬式速度違反自動取締装置の整備状況(令和3年度末)」をゲットした! 警察庁作成の、都道府県別の一覧表だ。これは発表ものではない。情報公開法に定められた手続きを踏み、収入印紙で手数料を支払い、ゲットしたのだ。速報しよう。

【資料】都道府県別台数と取り締まり件数一覧「移動式(可搬式)オービス」

■全国の可搬式、99台から117台へ

「可搬式速度違反自動取締装置」を「可搬式オービス」または単に「可搬式」と略す。本体部を三脚に載せて使う、持ち運びできるタイプのオービスだ。 ※ネットでいう「移動式オービス」はこの可搬式を含む。

まずは「整備状況」から見てみよう。「令和3年度末」つまり2022年3月末現在、可搬式オービスは全国に117台だ。私はこの一覧表を毎年ゲットしている。2021年3月末は99台だった。18台しか増えていない。「通学路の安全を守る切り札」だとかテレビ・新聞がよく宣伝しているのに、たった18台増。なぜ?

可搬式オービスは、2社が競合する形になっている。日本のオービスの老舗企業、東京航空計器(TKK)と、スウェーデンに本社を置く世界的企業、Sensys Gatso Group(SGG)だ。ところが、どうやらややこしいことになっているらしいのだ。

TKKの可搬式は取り締まりに向かないのに、TKKばかりを全国の警察に購入させようとする一派が警察庁内にいる。しかし地方は、取り締まりに向かない装置を、なるべく購入したくない。それで台数が伸びないのだろう、と私は読む。

■可搬式の取り締まりは2.3倍増

次に「撮影枚数」である。これ、2019年分までは主に「取締り件数」という標記だった。2020年から突然、撮影枚数になった。標記が変わっただけで中身は同じだという。でも、同じならなぜ変えた? うーん、やっぱりTKKの可搬式が取り締まりに向かないことが影響しているのかなぁ、と私は見ている。本稿では、昔の呼び方、取り締まり件数でいく。

2021年の取り締まりは2万6508件。2020年の1万1568件から約2.3倍に増えた。全国トップは千葉で5316件だ。千葉は2020年は1076件、だから約4.9倍に増えた。すごい。

ドライバーWeb編集部

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