2022/05/07 コラム

新型フェアレディZ、価格・スペック・装備を公開…先代モデルと比較してみた

4月25日、日産は「新型フェアレディZ」全グレードの価格およびスペック、装備を公開した。7代目にあたる新型の型式は先代「Z34」に対して「RZ34」となった。

■価格

〈新型〉
・特別仕様車プロトスペック:696万6300円(6速MT/9速AT)
・バージョンST:646万2500円(6速MT/9速AT)
・バージョンS:606万3200円(6速MT)
・バージョンT:568万7000円(9速AT)
・標準車:524万1500円(6速MT/9速AT)

〈先代〉
・ニスモ:640万9700円(6速MT)/651万9700円(7速AT)
・バージョンST:519万8600円(6速MT)/530万8600円(7速AT)
・バージョンS:484万8800円(6速MT)
・バージョンT:480万2600円(7速AT)
・標準車:397万9800円(6速MT)/405万9000円(7速AT)

同グレード名で比較すると、約100万円の価格上昇。ただ、後述のようにエンジンスペックの向上や装備充実を考慮すると致し方ない部分かもしれない。

■エンジン・トランスミッション

〈新型〉
型式:VR30DDTT
種類:V6DOHCツインターボ
排気量:2997L
ボア×ストローク:86.0mm×86.0mm
圧縮比:10.3
最高出力:298kW(405ps)/6400rpm
最大トルク:475Nm(484kgm)/1600〜5600rpm
使用燃料・タンク容量:プレミアム・62L
WLTCモード燃費:9.5km/L(6速MT)/10.2km/L(9速AT)

〈先代〉
型式:VQ37VHR
種類:V6DOHC
排気量:3696L
ボア×ストローク:95.5mm×86.0mm
圧縮比:11.0
最高出力:247kW(336ps)/7000rpm ※ニスモ仕様:261kW(355ps)/7400rpm
最大トルク:365Nm(37.2kgm)/5200rpm ※ニスモ仕様:374Nm(38.1kgm)/5200rpm
使用燃料・タンク容量:プレミアム・72L
WLTCモード燃費:8.5km/L(6速MT)/8.8km/L(7速AT) ※ニスモ仕様:8.4km/L(6速MT)/8.6km/L(7速AT)

大排気量NAが魅力だった先代に対して、新型はスカイライン400Rの3L・V6ツインターボを搭載し、出力/トルクともに大幅に向上。燃費も約1km/Lほど向上したが、燃料タンクは10L減っている。

トランスミッションも進化しており、6速MTは先代がベースだが、1速、2速に新設計のシンクロナイザーを採用。ロッドのストローク、溝のプロファイル、チェックスプリングの荷重など入念にチューニング。操作の前半は荷重が重めなのに対して、後半は自ら吸い込まれるようにギヤが入る感覚を実現しているという。

ATは従来の7速から9速へと進化し、変速も20%速くなった。日産のラインアップには乗用車用縦置きの9速ATはなかったので、今回のATはZ専用となる。トランスミッションケースには「Z」の刻印を入れるなどこだわりようだ(外からは見えないが)。

■シャシー・タイヤ

プラットフォーム自体は先代を継承するが、動力性能向上に見合うようにボディはねじり剛性を10.8%向上させるなど確実にアップデート。フロントのタイヤ幅は245から255サイズにワイド化され、コーナリング性能は13%向上しているという。サスペンションダンパーはモノチューブ化され、初期応答を高める一方で減衰力は20%下げられている。またステアリング機構はは油圧式から電動パワーステアリングに。スカイライン400Rのようにステア・バイ・ワイヤではない。さらに、新型には機械式LSDを採用(バージョンT、標準車を除く)。エンジンパワーを余すところなく路面に伝えられるようになっている。

■安全装備

新型にプロパイロットは採用されなかったが、前方を走行する車両との車間距離を測定してアクセル・ブレーキ操作をクルマ側が行うインテリジェント クルーズコントロールを全車に搭載。緊急自動ブレーキや、踏み間違い衝突防止アシスト(AT車のみ)も設定されている。

◇◇◇

当初6月下旬としていた発売時期は、昨今の部品供給不足の影響により今夏に改められている。

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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