2022/04/25 ニュース

ダイハツの新サービス「ゴイッショ」とは? 福祉介護・共同送迎サービスの提供を開始

福祉介護・共同送迎とはどんなサービスなのか

ダイハツは4月22日、福祉介護・共同送迎サービスの「ゴイッショ」の販売を開始した。

ダイハツでは少子高齢化や地域活性化といった課題に対応するため、2015年から福祉介護領域において新たなモビリティサービスの取り組みを進めてきた。その結果、2018年に通所介護施設における送迎業務の効率化をサポートする「らくぴた送迎」のサービス提供を開始。スマートフォンを活用した簡易テレマティクスサービスで、すでに全国約200カ所の介護施設で活用されている。

2019年にはさらなる課題解決に向けて、個別の施設から地域全体に視野を広げて検討を開始。地域によっては、介護施設における人手不足が顕在化していることを踏まえ、「らくぴた送迎」で培った知見をもとに、地域内の複数の介護施設における送迎業務を外部に委託することで負担軽減を図り、共同化することで効率のよい送迎を行う新たなモビリティサービスを開発した。

これに基づいて2020年11月から香川県三豊市で実証事業をスタート。施設が車両1台相当を委託すると介護現場では1日あたり75分の送迎業務を削減する効果が得られ、また、送迎業務を共同化することによって送迎車両の台数を20%削減できたという。こうした効果が確認できたことから、今回、全国の地方自治体を対象とした福祉介護・共同送迎サービスの「ゴイッショ」の販売をスタートさせた。

サービスは、介護送迎に特化した人材(ダイハツ社内で現在は20人体制)が調査・検討段階から運行までを一貫してサポート。また、複雑かつ相反する送迎ニーズをすり合わせる介護送迎専用のアルゴリズムを持った共同送迎運行管理システムが特徴になっている。効率的に送迎する最適な運行計画を作成でき、運行中も遅延や利用者の急なキャンセルといった事態に遭遇しても複雑な情報連携をサポートする。

システム導入までに以下の3ステップのサービスを提供する。

■ステップ1 調査・検討サポート
地方自治体を対象としたサービスで、介護施設を直接訪問し、課題の見える化を行い、効果シミュレーションを行う。期間は3カ月以上で、価格は規模・内容により変動。40施設の場合のモデル価格は150万円。

■ステップ2 運行準備サポート
地方自治体や送迎業務を受託する運営団体が対象。運行開始に向けたロードマップの策定支援を行い、ドライバーの介助・接遇研修、地域交通事業者との調整・交渉支援などを行う。期間は6カ月以上で、価格は規模・内容により変動。40施設の場合のモデル価格は200万円。

■ステップ3 運行サポート
送迎業務を受託する運営団体が対象。共同送迎運行管理システムの提供など。システム価格は1カ月あたり利用料17万5000円(税抜き)〜で、ドライバーが持つ専用スマートフォンはオプションとなる。送迎の空き時間を活用した買い物支援サービスや宅食などの配送サービスといった発展的な取り組みも支援する。

ゴイッショのネーミングについては、送迎の協調化によって介護施設にとっては他の施設の利用者と「ご一緒」に送迎業務を行うこと、そして利用者にとっては、他の施設の利用者と「ご一緒」に乗車すること。さらに、地域や自治体にとってはさまざまなサービスを将来「ご一緒」に…といった意味が込められているという。

全国には約1750の地方自治体があるが、ダイハツでは今後1年で5つの自治体で調査・検討が完了していることを目標にしたいとしている。

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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