2022/04/07 ニュース

富士スピードウェイを中心とした「富士モータースポーツフォレスト」開発へ…“グッドウッド”のような場所を目指して

アジア地域のモータースポーツ中心地として

2022年4月6日、トヨタ、富士スピードウェイ、東和不動産は、静岡県小山町にある富士スピードウェイを中心に周辺のエリア開発を行い、「富士モータースポーツフォレスト」として整備することを発表した。

富士モータースポーツフォレストは、モビリティとモータースポーツの魅力を知り、楽しみ、参加することで人生を豊かにするという「大人の遊び場・社交場」を目指したもの。全長4563mの国際レーシングコースを持つ富士スピードウェイを中心として、以下の施設を整備する。

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●富士スピードウェイホテル(2022年秋開業)
最終コーナー近くに設置されるホテル。日本初上陸の高級ホテルブランド「アンバウンドコレクション・バイ・ハイアット」として開業する。眼前に迫るサーキットビューと富士山の眺望が楽しめる客室を持ち、スイートルーム21室とヴィラ5室を含む全120室を用意。

●富士モータースポーツミュージアム(2022年秋開館)
ホテルと併設され、建物の1階〜3階を占める。モータースポーツの魅力を発信するミュージアムで、トヨタ博物館監修のもと、国内外の時代を象徴するレーシングカー約40台を展示する。

●レーシングチームのガレージ(2023年以降に順次開業予定)
富士スピードウェイ西ゲート付近の一帯には国内有数のレーシングチームのガレージを整備。ふだん見ることができないプロレーシングチームのガレージ特別見学ツアーやメーカーファクトリーなどのイベントが楽しめる。

●温浴施設・レストランなど(構想中)
こちらも富士スピードウェイの西ゲート近くに設置する予定。近隣の観光スポットからの帰りに気軽に立ち寄れる。

このようにエリア内の各施設には、大人から子供まで楽しめるさまざまな体験を用意して、「未来のモビリティ・モータースポーツの街」を創出していくという。2026年の富士スピードウェイ開業60周年を目指して、順次施設をオープンさせる予定である。ちなみに、将来、新東名高速道路が開通すると富士スピードウェイの隣接地に小山パーキングエリアのスマートインターチェンジが設置される予定。東京からクルマで約1時間とアクセスが格段に向上する。

■モリゾウ氏の原体験がプロジェクトにつながった

このプロジェクトの旗振り役となったのは、レーシングドライバー“モリゾウ”としても知られるトヨタの豊田章男社長(ディベロッパーの東和不動産の会長も務めている)。1966年5月3日の第3回日本グランプリの決勝レースで、父親の豊田章一郎氏に連れられて富士のパドックを訪れた。その時に接したエンジンの爆音、ファンの歓声、メカニックの真剣な表情といった五感で感じるものすべてに興奮したという。こうしたワクワクした原体験によって、クルマ・モータースポーツ大好きのモリゾウ氏に育ったというわけである。

こんな原体験を、今の子供たちにもしてほしい。また、モータースポーツの現場で働く人が生き生きと働ける環境を整備したい。そんな思いが今回の富士モータースポーツフォレストの展開につながっているという。

モータースポーツは自動車産業の発展には必要不可欠。そのためにモータースポーツの未来に向けた種を撒き、それは成長して森(フォレスト)になる。「富士モータースポーツフォレスト」という名前には、そうした思いが込められている。

記者会見でトヨタのGAZOO Racing Company Presidentを務める佐藤恒治氏は、富士モータースポーツフォレストをモータースポーツの現場でプラス1の楽しみができる場所。例えばレーシングカーが特設コースを全力で駆け抜け、往年の名ドライバーとも間近で触れあえる英国のイベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」のような場所にしたいとコメント。モータースポーツ熱が高まっているアジア地域でモータースポーツの中心地としてリードしていきたいとしている。

また、トヨタグループのディベロッパーとして約70年の歴史を持つ東和不動産は、2022年4月27日に「トヨタ不動産株式会社」に社名変更することも併せて発表された。

〈文=ドライバーWeb編集部〉

ドライバーWeb編集部

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