2022/04/05 コラム

キャンピングカーが安くなる!? この春から構造要件が緩和。“8ナンバー”が取得しやすく

●写真のような“掘りごたつ”が不要になる!?

2022年4月1日から、自動車の分類番号の8ナンバーである特種用途車の構造要件が変更された。なかでも重要なのが、8ナンバーのキャンピングカーの構造要件が画期的といえるほど緩和されたのだ。
 
2年以上におよぶコロナ禍で人々の生活やユーズが変化したが、クルマを使ったレジャーであるキャンプはより盛り上がりを見せている。ファミリーだけでなく1人で楽しむソロキャンプや車中泊などのニーズも高まり、空前ともいえるキャンピングカーブームとなっている。こうした背景もあって国土交通省は、よりキャンピングカーを普及させるため規制緩和ともいえる構造要件変更を行った。

ハイエースなどをベースにしたバンコンバージョン、いわゆる「バンコン」の8ナンバー取得の大きな障害になっていたのが室内高の制限だった。これまでは「洗面台等を利用するための床面から上方には有効高さ1600mmを有している」ことが必要だったが、これが変更されて1200mmあればキャンピングカーの基準を満たすことになった。

ただし、キッチンなどのシンク(洗面台)の上端が床面から上方に850mm以下の場合に室内高1200mmが適用されることになったが、シンクなどのキッチンの高さを850mm以下に抑えても使い勝手に困ることはなく、むしろ軽キャンパーなどのシンクは低く抑えられているため新たな構造要件を満たすことは簡単だ。

ベース車として使われることが多い現行型200系ハイエースバンの背が高いハイルーフのモデルでも、架装によっては1600mmを確保するのは難しかった。なのでキャンピングカービルダー(架装会社)は、シンクの前に“掘りごたつ”のよう床に穴を開けて、そこだけフロアを低くして規制をクリアしていた。フロアを加工するのは手間がかかりコスト高につながっていたが、今後はこのような加工しなくても8ナンバーが取得できる。

さらにベッド数も変更され、乗車定員の3分の1以上(端数切り捨て)の大人用ベッドを装備すればよくなった。従来は2人以上だったため、4人定員の軽自動車では要件を満たすことが難しかったが、これも改善された。

このように要件が大幅に緩和されたことで、キャンピングカーがより身近な存在になり、クルマの楽しみ方がもっと広がることを大いに期待したい。

〈文=丸山 誠〉

ドライバーWeb編集部

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