2022/03/31 コラム

四駆の王者「ランクル」と同じ時代を駆け抜け、そして消えたフレームシャシーのライバルたち

●写真は初代サファリ

トヨタ ランドクルーザーが14年ぶりのフルモデルチェンジで、“300系”に生まれ変わった。

トピックの一つが、新開発のラダーフレームを採用したGA-Fプラットフォーム。海外のオフローダーが一台また一台とモノコック化されるなか、最新技術によってまたも伝統のフレーム構造を守ったかたちだ。現在、国内の登録車でフレームシャシーを持つ日系SUVは、300系とプラドのランクルシリーズ、そしてフルモデルチェンジをはたしたレクサスLXのみ。


●ランクル300系(写真はGRスポーツ)

しかし、かつては同じように強靱なフレーム構造を誇り、ランクルと同じ時代を駆け抜けたライバルたちが存在したのだ。「四駆の王者」に挑んだ国産オフロード4WDを振り返ってみたい。

■日産サファリ

ランクルとともに日系SUVの最高峰に君臨し続けたのは、日産サファリだ。


●初代パトロール(1951年)

歴史は古く、初代が海外向けと同じパトロールの車名で誕生したのは1951年。ランクルと同じく、警察予備隊(現・自衛隊)の採用を目論んだ小型トラックとして開発された(採用されたのは三菱ジープ)。生い立ちからすれば、まさに宿命のライバルだった。

国内でサファリを名乗ったのは、1980年の3代目からだ。RV(レクリエーショナルビークル)を指向した現代的デザインに生まれ変わり、ショートは幌に代えてFRPのハードトップを装備した。ハイルーフも登場。エンジンは3.3L直6 OHVディーゼルでデビューし、ターボを追加した。4WDは副変速機付きのパートタイム方式だ。テレビドラマ「西武警察」の劇中車としても知られる。


●初代サファリ(1980年)

1987年には4代目(サファリとしては2代目)にフルモデルチェンジ。フレームは新設計で、サスペンションもスプリングがリーフ式からコイル式に一新された。エンジンは新開発の4.2L直6ディーゼル(のちにターボ)。ボディは大型化され、ロング・ワイドフェンダーは全長5m・全幅1.9mを超えるビッグボディを誇った。1991年には4.2L直6 OHVガソリン搭載のワゴン(7人乗り)が登場。本革仕様のキングズロードも加え、SUVの王者を標榜した。そして主力は商用からしだいに乗用へと移った。


●2代目サファリ(1987年)

5代目(同3代目)のデビューは1997年で、10年ぶりのフルモデルチェンジ。ガソリンエンジンは4.5Lに拡大された。4.2Lディーゼルターボ、先代後半から継続のショート用2.8Lディーゼルターボも強化。後者は1999年のマイナーチェンジで新世代の3L直噴DOHCディーゼルターボに換装された。


●3代目サファリ(2002年)

2002年には国内販売をいったん休止し、ビッグマイナーチェンジを敢行。国内向けは新開発4.8L直6ガソリン+5速ATのグランロードリミテッド一本に絞られた。サファリは海外でランクルと人気を二分するほどだったが、国内では圧倒的な差をつけられており、これが最後の勝負になった。2007年に国内販売終了している。


●現行型アルマーダ

一方、海外では2007年に6代目パトロールが登場し、現在も中東やオーストラリアで活躍中。北米版のアルマーダは2021年モデルで魅力的なフェイスリフトが行われた。

ドライバーWeb編集部

RELATED

RANKING