2022/03/30 新車

打倒ハイエースの切り札は三菱製の新型ディーゼルエンジン! 日産キャラバンの実力は

アライアンスを生かしたエンジン刷新

■排ガス規制で新開発三菱製エンジンを搭載

2022年2月28日、キャラバンのディーゼル車がマイナーチェンジを実施、22年4月下旬から発売する。21年10月にガソリン車が先行してマイナーチェンジしていたが、その試乗レポートでお伝えしたようにディーゼルは遅れて変更されることがアナウンスされていた。その取材時に、気になったのが「エンジンが新型に移行する」という開発者の言葉だった。


●プレミアムGX(ディーゼル)

YD25型ディーゼルエンジンが役目を終えて、「日産製の新型ディーゼルに変更される」と予想していたが、フタを開けてみると、なんと三菱製の4N16型ディーゼルが搭載されているではないか! ルノー・日産・三菱としてアライアンスを組んでいるから調達先が三菱になっても不思議ではなく、むしろコストダウンにつながるからユーザーメリットもあるだろう。このエンジンはタイで製造され、日本に送られてからオルタネーターなどの補機類を組み付けて搭載されるという。


●4N16型ディーゼルエンジン

三菱の4N1系ディーゼルエンジンについて調べてみると、現在の三菱生産車に4N16型は搭載されていない。三菱車ファンならばすでにお気づきのように、デリカD:5には4N14型が搭載されている。排気量は2267㏄でキャラバンの4N16型のほうが2439㏄とわずか172㏄排気量が大きく、ボア×ストロークを見るとボアは86.0㎜で同一だが、ストロークはキャラバンのほうが7.4㎜ロングストロークで、105.0㎜になっている。このことからもわかるようにデリカD:5と兄弟のようなエンジンを搭載したことになる。新型の最高出力は132馬力、最大トルク370NmとYDより少しだけパワーアップしている。

キャラバンディーゼル車のマイナーチェンジモデルの開発を始めたのは約3年ほど前。どのディーゼルエンジンを搭載するか検討したなかで、従来のYD型はあきらめた。日産がエンジンを変更することを決めた理由は、やはり“排ガス規制”だった。1998年から生産しているYD型に鞭(ムチ)を入れても、厳しくなる一方の排ガス規制に対応するのは難しいという判断だったという。新型ディーゼルを検討した時点では、すでに三菱が自社向けに搭載する4N16型エンジンの開発に着手していたという。

キャラバン用には排ガス浄化(NOx低減)のため尿素SCRを日産生産車として初採用し、DPF(ディーゼル微粒子捕集フィルター)とともに、緻密な制御で浄化能力がさらに高くなる尿素水の2回噴射を実施。尿素水のタンク容量は11.4Lで満タンから約1万1000㎞走行可能だという。


●尿素水タンクは助手席側スライドドアを下側に設置

ドライバーWeb編集部

RELATED

RANKING