2022/03/01 ニュース

ヒュンダイ→ヒョンデへ、なぜ呼び名を変更? じつは日本だけではなかった!?

●ディーラーがないヒョンデは、このようなイベントやカーシェアなどでユーザーが体験できる機会を積極的に設けている




■刷新されたヒョンデが体験できる!


2022年2月8日に約12年ぶりの日本市場再参入を発表したヒョンデ。販売店を持たないオンライン販売のため、ヒョンデはユーザーが商品に触れる機会を積極的に設ける方針である。その第一弾となるポップアップスペース「Hyundai House Harajuku(ヒョンデ・ハウス・原宿)」が、2月19日に東京のJR原宿駅前にあるJing(ジング)原宿に、5月28日(土)までの期間限定でオープンした。

hyundai
●原宿駅を出てすぐの交差点にある施設で、期間限定の体験スペースがオープン

ここでは、ヒョンデが提案する新たなライフスタイル“LIFE MOVES”をテーマに、ギャラリースペースでは「働く・遊ぶ・纏う・食べる・住まう」の各分野で活躍する5人のクリエイターとヒョンデによる共創プロジェクト「“LIFE MOVES”People」の特別展示が行われるほか、BEV(電気自動車)のアイオニック 5とFCEV(燃料電池者)のネッソという、ヒョンデのZEV(ゼロ・エミッション・ビークル)の世界や先進技術を体感出来るインスタレーション、”サステナブル“をテーマにしたさまざまなコンテンツなどが楽しめる。

hyundai
●最初の展示スペースから進んだ先にある、第2の展示エリア。リビングルームや庭をイメージした空間が広がる

2階にはドリンクバー併設のラウンジやコンシェルジュカウンターもあり、ヒョンデのスペシャリストによる詳細な説明や、購入相談などにも対応している。また試乗車も用意されている。当日でも空いていれば試乗出来るが、ヒョンデのウェブサイトから予約できるので、事前に試乗予約しておくのがオススメだ。

hyundai
●建物2階には、開放的なスペースを生かしたカフェを併設


■ヒュンダイではなくヒョンデのわけ


ところでヒョンデは、09年末まで日本では「ヒュンダイ」と呼ばれていた韓国の自動車メーカー「現代自動車」である。今回12年ぶりの再上陸を機に、日本での呼称を本国での発音に近い「ヒョンデ」に変更した。また日本法人の会社名も、従来の「現代自動車ジャパン株式会社」から「Hyundai Mobility Japan株式会社」へ変更している。そこにはどんな意味があるのか、ヒョンデの乗用車事業室マネージングダイレクターの加藤成昭氏に聞いてみた。

hyundai
●Hyundaiと書いて、ヒョンデと読む。これが新しいブランドネーム

じつはブランドの呼称を「ヒョンデ」とする活動は、グローバルでは3年ほど前から行っているという。だがアルファベットを使う欧米諸国では、それぞれの言語特有の発音に引っ張られてしまうので、なかなか統一できずにいるというのが現状だそうだ。その点、日本語には「カタカナ」という外国語の発音を表現するのにうってつけの表音文字があるので、スムーズに変更できたというわけだ。

今回の日本再上陸がZEVのみの展開で、販売方法もオンラインに限るという、かつてのヒュンダイ時代とビジネスモデルが大きく変わることから、日本だけブランド呼称を「ヒョンデ」に変更したわけではない。韓国本社の主導で行っているグローバルでの呼称統一の一環である。

hyundai
●サステナブルは最新のクルマに求められる要素のひとつ。ヒョンデでは、再利用素材や天然由来の素材など積極的に活用している


ちなみにヒョンデ本社が、日本市場への再参入を決定したのは、今から3年ほど前の19年夏で、当初は以前のように販売店を設置する計画だったという。だが、09年末の撤退に至った背景に「顧客一人ひとりの声を聞いていなかった」という反省があり、「オンライン販売であれば顧客の声をダイレクトに聞くことができる」と判断し、オンライン販売のみに変更したそうだ。

また、当初の予定では21年秋に東京モーターショーで再参入を発表し、同年末には発売する計画だったが、東京モーターショーはコロナ禍で中止となり、加えて世界的な半導体不足で、日本導入モデルの生産計画が後ろ倒しとなったことから、22年2月に発表し、5月に受注開始、7月にデリバリー開始というスケジュールになった。

ドライバーWeb編集部・青山

RELATED

RANKING