2022/01/07 新車

【新型シトロエンC4試乗】エンジン車もBEVも独自のサスペンションでしっとり快適な乗り心地!

●2022年1月7日、シトロエンの新型C4が登場。シトロエンらしい唯一無二のデザインと、乗り心地のよさが魅力のコンパクトクロスオーバーだ


■BEVはクラス最高レベルの快適性


次にBEVのE-C4だが、こちらはさらに快適だ。E-C4は、最高出力100kW(136ps)/5500rpm、最大トルク260Nm/300〜3674rpmの交流同期電気モーターをフロントに搭載。リチウムイオンバッテリーは、DS3 Eテンスやe-2008と同様に容量50kWhで、前後席シート下とセンターコンソールにH型に搭載されている。

C4

リチウムイオンバッテリーが約350kgと重いため、車両重量が1630kgにもなるが、走りはBEVらしく十二分にパワフルだ。走行モードはエコ、ノーマル、スポーツの3モードあり、ノーマルモードでは80kW(108ps)と220Nm、エコモードでは60kW(81ps)と180Nmに絞られる。だが街中ではエコモードでも十分実用的だ。また積極的に減速エネルギーを回生するBモードに入れると、完全ではないが、いわゆる「ワンペダル・ドライビング」に近い運転が可能になる。

低重心とロングホイールベースがもたらす走りは、とにかく快適だ。リヤサスペンションには重量増による横方向の負荷に対応すべくパナールロッドが追加。サスペンションにはディーゼル車と同様にPHCが備わるのだが、乗り心地はとにかくフラットで、ヒタッと路面に吸い付くような走りを披露する。コーナリング時のロールは少なく、ハンドリングはとても素直。またこちらも直進性がすこぶる良好である。またBEVだけに静粛性の高さは非の打ち所がない。快適性の点ではクラス最高レベルにあるのは確実だ。

航続距離がWLTCモードで405km、JC08モードで459kmと控えめではあるが、快適性や実用性の点でプロダクトとしての魅力は非常に高い。遠出する機会が多い人はディーゼルを選ぶほうが利便性は高いが、街乗りメインで充電環境の問題がないのであれば、E-C4はかなり魅力的な選択肢になる。

ちなみに充電時間だが、満充電まではコンセントタイプの普通充電器(200V 3kW)で約18時間、50km走行分なら約3時間で済む。家庭に設置するウオールボックスタイプの充電器(200V 6kW/3kW)だと、コンセントタイプの半分で済みそれぞれ約9時間と1.5時間。CHAdeMO規格の急速充電なら、約80%の充電が約50分で終わる。

個性的でスタイリッシュなデザインを纏ったコンパクトで快適なクロスオーバービークルで、BEVも選べるという、現在の世界のトレンドのド真ん中に投入された新型シトロエンC4/E-C4は、ヨーロッパでは大きな注目を集めている。日本でもヒットする可能性は高そうだ。


<文=竹花寿実 写真=山本佳吾>

ドライバーWeb編集部・青山

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