2022/01/04 コラム

間もなく発売!日産アリアの生産工場に潜入。栃木工場の「ニッサン インテリジェント ファクトリー」が最新鋭過ぎた!

●アリアは539万円からの設定



■塗装ドライブース <④ゼロエミッションの生産システム>

新塗装工場の省エネの目玉アイテム。塗装するエリアではどうしても吹き残りの“塗料ミスト”が発生してしまう。これまでは水を使って塗料ミストを回収し、塗料カスは廃棄処理。また、塗装エリアは温度と湿度を厳密に管理する必要があるが、空気が水で加湿されてしまうため、エネルギー効率のよい空調のリサイクルも行われてこなかった。

そこで、水を使わずにドライパウダー(石灰)を使って塗装ミストを回収する仕組みを導入した。塗料カスは100%再使用し、塗装ブース内の空調をリサイクルすることで、従来の設備に対して使用するエネルギーを25%削減した。設備が水に接しないので、設備が痛みにくいというメリットもあるという。さらに、コンパクトな設備とすることで、国内外の他の工場建屋にも収まり、技術展開しやすくした点も特徴である。

■ボディ&バンパーの一体塗装 <④ゼロエミッションの生産システム>

従来の塗装では、鉄/アルミ製のボディは140度Cで焼き付けて、プラスチックは溶けないように85度Cで焼き付けていた。このため、ボディとバンパーは別々に塗装していた。



それを一体で塗装することにチャレンジし、世界で初めて実現。開発のポイントはボディの塗装を従来の140度Cから85度Cにできる材料の開発で、環境に優しい水系塗料でありながら、水の沸点以下の85度Cで熱硬化する塗料を作らなければならなかった点が難しかったという。硬化剤を吹き付け直前に塗料に混ぜ込んで、その後自分で硬化するという日産の特許技術を開発。これによって、ボディとバンパーを一体で塗装できる技術を確立した。この技術はリサーチから開発まで6年かけたという。ボディとバンパーの完全な色合わせは、塗装品質向上に大きく寄与。また、使用エネルギーも25%削減している点もポイントである。(写真はロボット6台による中塗り工程の様子)



ドライバーWeb編集部

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