2021/12/22 コラム

最近多くみかける「矢印の黄色い破線」…踏んじゃダメ? どんな意味があるのか

●東京ビックサイト近くの交差点にも矢印型の黄色い破線が

最近、都内の道路を走っていて気になるのは、矢印状の黄色の道路標示。車線にこの表示があり、その先は黄色の線が敷かれている。これは東京オリンピック2020直前から導入された、「進路変更禁止の注意喚起表示」だが、年末年始恒例の道路予算消化のためか、急ピッチで道路標示が変更されている。

この黄色の矢印にどんな意味があるのかというと…黄色の線によって急に進路変更禁止となると、あわてて禁止区間の直前で車線変更をするなど危険な場合があるため、「この先は車線変更禁止区間だよ」と知らせるために新たに導入されたもの。法定外表示の1つとして新設されたもので、黄色の矢印の車線をまたいで車線変更しても違反にはならない。

ちなみに法定外表示とは、交通の安全と円滑を図るために設置する路面表示やカラー舗装や交通規制の実効性を高めることを目的として設置するもの。「道路標示、区画線及び道路標示に関する命令(昭和35年総理府・建設省令第3号)」「道路交通法施行規則(昭和35年総理府令第52号)」などの法令で定められたもの以外が法定外表示になる。

この矢印タイプを「矢羽根型」と警察は呼んでいるが、じつはこのほかに「ドット型」と呼ばれるタイプが、2021年1月から3月まで試験的に導入されていた。どちらも進路変更違反が減るなど効果を発揮。しかし道路にペイントする費用に大きな差があったようで、高額な施工費が必要なドット型ではなく、安価に施工できる矢羽根型が選ばれた。

道路橋の両端の信号機手前を車線変更禁止の黄色線にしていることが多いが、今後はこの矢羽根の黄色線が出てきたら、すみやかに進路変更を終えるようにしたい。交通の流れを妨げないことはもちろん大前提として、こうした場所の多くは違反の取り締まりをしているからなおさら注意が必要である。

〈文=丸山 誠〉

ドライバーWeb編集部

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